黄昏どき

老いていく日々のくらし 心の移ろいをありのままに

戦争のない平和な世界を

秘境だった温泉

2017年03月26日 | つぶやき

 まだ戦後の復興が終わっていない昭和22年

一年休学した私は女学校二年生だった

戦中の教育とは天地をひっ繰り返したような

自由で楽しい学校生活を送っていた

小さな町の新設校で一学年一クラス

その中で先生を悩ませる存在だった

 

言いだしっぺは私だったと思う

修学旅行に行きたいね

スズメの様に騒がしく団結力があるクラス

すぐ 行こうと決まった

行先は 秘境の層雲峡 温泉宿は一軒だけ

S町からは宗谷線の列車に乗り 石北線に乗り換えて上川へ

上川からバスで行かなければならない

 

まだ鉄道の切符を取るのも困難な時代だった

早速旅行委員をつくり 駅に行き直接交渉

駅員さんもビックリされたがOKになった

その時

汗だくの先生が追いかけるようにやってきて

「学校に許可も取らないで」と さんざんお説教されたが

仕方なく許可してくれた

6月末

お米持参で満員列車のデッキで揺られながら

デコボコ道のバスに酔いたどり着いた宿

川の音だけが聴こえる静かな宿だった

二階の大広間に雑魚寝 お化けが出ると泣く人

大函まで行き両側の美しい絶壁に見惚れ

 雨が降りだし大きな蕗の葉っぱを傘代わりにした

 

ダイヤモンド婚のお祝い

午後から温泉へ行く予定

姿はすっかり変わったが偶然 同じ宿である

雪見湯になるだろうが 

のんびりゆったりボ~として過ごすつもり

 

コメント (2)
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