1991年 3月31日(日) 九州の旅 知覧(当時の記録より)
霞んでいたが桜島が姿を見せ 爆発の煙を見ることができた
今年になって47回も噴火したとのこと 住んでいる人々は大変だろう
宿の傍にある私学校跡 鶴丸城址 黎明館を見学後
鹿児島を離れる
知覧の特攻会館は 満開の桜に包まれていた
戦死した従兄がここから飛び立ったと母に聞いていたので
ぜひ 確かめ お参りしたいと思い訪れたが
日曜日で混んでおり
1026人もの戦死者の中から探し出すのは無理に思えた
諦めようとしたとき
運転手の山下さんが見つけて下さり 遺影に対面することができた
飛行第19戦隊 5月18日 大立目 公雄 大尉 北海道 22歳
写真は若々しく 遠くを眺め 微笑んでいるようだった
満開の桜がはらはら散るのと 従兄の最後が重なるように思え
涙がとまらなかった
輝くような新緑の芽が出そろった茶畑は雄大で美しく
落着いた佇まいの武家屋敷も趣があり 知覧は忘れられない町になった
31年前のことだが はっきりと心の中に刻まれている
従兄が戦死した戦争が終わってから77年経つ
ウクライナへの侵攻でも多くの若者 市民が犠牲になっている
ただ祈ることしかできないが
戦争が終結し平和が訪れることを祈り願っている