黄昏どき

老いていく日々のくらし 心の移ろいをありのままに

戦争のない平和な世界を

父の思い出

2017年09月14日 | 思い出

私は父に叱られた記憶がない 

物静かでどちらかと言えば母の方が強い

いわゆるカカア天下の家だった

日中戦争3年樺太に抑留されて3年と6年間も家を留守にしていたので

母は家族を守るのに必死で強くなったのだとも思える

戦争から戻った

国民学校2年生(7歳)の秋頃からの記憶だが宿題をよくみてくれた

箸の持ち方が上手に出来なかったのを 根気よく教えてくれたのも父

若い頃は流行に敏感だったようである

旧制中学を卒業し国鉄に勤めたが

 音楽が好きでバィオリンを弾きレコードを集め

写真に熱中し 母をモデルにした写真が沢山あった

四女の私が生まれた頃はバィオリンもなく カメラも壊れていたが 

父が持ち込んだマージャンは祖父母や母を虜に

高じてマージャン荘を開いていた

優しくて子煩悩だが 出世には縁がなかった

そんな父が 結婚を申しこみに行った夫に言った言葉 

「娘との結婚は賛成しますが 嫁にはやりません」

亡くなってからはじめて聞く言葉だったが 父の愛を強く感じ心に残っている

1900年生まれの父が亡くなってから50年

秋晴れの水霜がおりた日だった

  父が写した母


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