井上靖記念館の文学講座
『星と祭り』と“救い”の形
―もう一つの星・十一面観音・祀り・祈りー
聴講して
遠くなっていた記憶が呼びもどされ鮮やかになってきた
小説を読み
どうしても十一面観音さにお目にかかりたくなり
湖北を旅したのは(1987年)
今から34年前の4月はじめの事である
若狭小浜の羽賀寺の十一面観音さまを拝観した後
木之本町(現 長浜市)へ行き一泊し
翌日観光タクシーで
観音の里歴史民俗資料館を巡った
小さなお堂に 村人 地域の人たちに大事に見守られながら祀られており
私たちが行くと鍵を持った方がお堂の扉を開けて下さる
織田の焼き討ち 賎ケ岳の合戦 などの戦火や災難にあい
土の中に埋められたり水の中に隠されたり
つらい過去をもっていらっしゃる観音さまが多い
赤後寺の観音様は腕が焼かれて痛々しいお姿だった
国宝の渡岸寺の十一面観音さまは
一番有名でお姿も素晴らしいが
他の観音さまも皆美しく穏やかでお厨子が開かれると
自然と頭が下がり祈る気持ちになっていた
地域の有志により「能美舎」から2019年に『星と祭り』が復刊された
改めて読み物語に感動し 観音様のお姿が浮かんでくる
当分 脳裏から離れないだろう