昨日の夕方からいつもの仲間と穂高に向けて出発。松本で前泊しようとしたのだが、福利厚生の安いホテルは満員で泊まれず、穂高なら利用できたからだ。通常は2食付だが、素泊まりでも可能ということで、予約しておいた。
少し遠回りになるが土曜日はどこも高いので、仕方ない。最近朝の連続ドラマで取り上げられているせいか、人気も上昇中らしい。
しかし、辺鄙な場所にあって、夜だとまったく目印が分からず、ナビがなければ到着できなかっただろう。
雨の中、予定より一時間遅れて到着。お風呂が11時半までというので、急いで入ったのだが、そんなに遅い時間に今までは行ったことがなかったけれど、混みあっているのに驚いた。と言っても、洗い場がなくて困るほどではなかったが。
それから風呂上がりのビールを皆さんが召し上がり、私も1センチ頂いて、男女別に分かれて休んだ。しかし、枕が変わると眠れない性質の上、アルコールも少なかったせいか、布団が熱かったせいか、なかなか寝付けず苦労した。
朝は5時に目覚ましがなり、起き出す。寝ていたと思っていた友人たちもあまり寝られなかったとのこと。これなら、夜行バスで寝られないのと同じだなと思ってしまった。
持参したパンで朝食。2重窓で雨は大したことなさそうと思っていたが、窓を開けたら結構強い雨脚。ついつい朝食もゆっくり目になり、出発は6時半過ぎになってしまった。
リンゴ畑や田んぼの間の農道を辿り、野麦街道(サラダ街道になっていたっけ)にでてバスがたくさん待機している新島々駅前を通り、風穴の里の道の駅に寄ってみたがまだ開いていなかった。東電の稲核、水殿ダム、奈川渡ダムを経て沢渡に出た。みちみち道路清掃の方々があちらこちらで見られて、感心してしまった。何か行事があるからかしら?
自家用車は上高地には乗り入れできないので、沢渡の駐車場に止める。タクシー会社の人が誘導してくださり、バスを待とうかと思ったが、5人乗りのタクシーがあるか聞いたところ、乗れるタクシーがあるということで、すぐにタクシーに乗って、大正池へ。いろいろ解説してくださる運転手さんで、山にもいろいろ登っていらっしゃるらしい。駐車場の奥の大きな白い花びらで満開(かなり散ってはいたが)の木はなんですか?と聞いたら、エゾリンゴだと教えてくださった。昔はたくさんあったのだが、丈夫でリンゴの接ぎ木の土台に使われて、今は少なくなってしまったとか。根が傷んできているせいか、2年に一回しか咲かないのだそうだ。
晴れ女3人だから、山の上はひょっとしたら、小雨?と期待したが、大正池も雨。ただどしゃ降りではない。一人雨具を忘れたというので、ポンチョをお貸しした。
一同雨傘を指しながら、雲の切れ間に見える焼岳の雪渓とかを背景に写真を撮りながら、自然歩道を歩く。化粧やなぎやシラカバの芽吹きや若い新緑がきれい。
あいにく増水していて、石投げ遊びはできず、残念だった。ただ水の色はコバルトブルーを保っていた。
自然研究路を淡々と進み、田代池にでる。霞沢岳方面の山々も時折見える。
田代湿原からは、かすかに穂高の山がたまに見える程度だった。
それで林間コースを進んで白花エンレイソウをみたり、すみれを見たりしながら田代橋を渡り、上高地温泉ホテル、上高地清水屋ホテル前を通り、ウェストンレリーフの前を通って、上高地アルペンホテルに出た。200円コーヒーがお目当てだった。朝早くから喫茶をやっているかどうか心配だったが、利用できた。
そこで雲が薄くなって雨も小雨になったのに、ゆっくりしてしまったら、出るときはまた雨脚が強くなってしまった。
ポンチョの方がズボンや腕がぬれてきているのに気付いていたら、河童橋あたりでビニールのレインスーツを買い求めるように言えたのだが、その時は気づかず、明神池まで歩いた時にはかなり濡れて寒かったらしい。私がポンチョを着てもそれほど濡れないのだが、体格が違うので、腕とか足が濡れてしまったわけ。
河童橋では風雨ともにひどくなっていたが、意外に穂高の山々の雪渓は見えていた。
梓川右岸コースをたどると樹木の間の道を歩くので、風はほとんど感じないが、雨は結構降っていて、岳沢の方からの水の流れがすごくて見ごたえがあった。
まだこのあたりの梓川は青みを保っていて、中洲のケショウ柳や対岸のカラマツの新緑が見事だった。時々水墨画のように対岸の山々が見え隠れする。
滔々たる水の流れを楽しみながら、たまに花を愛でながら、明神池に近づいていくと、ニリンソウの群落が目立ってくる。その間には白花エンレイソウや、オオカメノキの白い花が咲いている。途中お会いして自然保護の方に伺うと、ツバメオモトはまだ咲いていないだろうと言われてしまった。
軽い階段状の遊歩道をアップダウンを繰り返していると、明神池への路に出た。穂高神社の鳥居が見える。晴れていたらその上方に明神岳が見えるのだが、ほとんど見えない。
初めての人と一緒に私は明神池の拝観に参加。300円かかるけど、私は明神池の雰囲気が好きなのだ。一艘の船がつながれていたが船首の飾りはついていない。写真を撮ったり取っていただいたりして、2の池も見てから戻る。
嘉門次小屋の岩魚定食でも食べようかと話していたのだが、見ると外のよしずの屋根の下で召し上がっている人たちが見えたが寒そう。もしかしたら中にも入れたのかもしれないけど。
それで囲炉裏のあると書かれていた山のひだやの方にまわったのだが、昼食の営業はしていないとのことで、明神橋をわたり、明神館に向かった。このあたりのニリンソウの群落もなかなか見事だった。ピンクの色の強いものは3輪も5輪も咲いていて、種類が違うのかもしれない。白花エンレイソウも多い。
明神館では食堂にストーブが焚かれていて暖かかった。残念ながらストーブの周りに濡れたものを干してはいけなかったので、乾かすことはできなかったが。
暖かい食事をそれぞれ頼み、一同ほっとした。濡れたものを着替えたり、身支度を整え直して、出発。本当は、徳沢のニリンソウの大群落が見事だとそのタクシーの方に聞いていたし、途中で吾妻シャクナゲも見られるというので行きたかったのだが、ぬれて寒そうな方もいらしたので、引き返すことにした。
歩き出してすぐの左手の崖のあたりは花が多くニリンソウ、白花エンレイソウ、エンレイソウ、サンカヨウなどが見られたが、ふと岩の方を見たら、以前から見たかったツバメオモトの特徴的な葉が見られ、小さな可愛らし白い花が咲いていた。写真を撮ったりほかの花を見たりしていたら、先に歩いた人たちの姿が見えなくなって、教えてあげようとおもったのに、追いつくことができなかった。
ツバメオモト
サンカヨウ
下白沢の押し出しのあたりの白い砂地のところまで、たくさんの花が見られて楽しかった。
そのあたり、濁流が歩道にまで押し寄せて、濁流を避けながら歩くのは大変。一部は木の橋が渡してあった。
ハシロドコロ
つくばねそうのつぼみがでている。
きじばと
小梨平のキャンプ場のあたりに着いたら、雲がだいぶ薄くなって、日差しも出そうな雰囲気。河童橋に行ったら、山々が良く見渡せそうと期待して歩いて行ったのだが、すぐに雨がまたひどく降り出して、隠れてしまった。
土産物屋を見たりしてからバスターミナル方向へ歩く。途中で行きがけに利用したタクシーを呼ぼうと電話をしたら、既に待機しているとかでタクシー乗り場に向かった。私はどうしても河童饅頭が買いたくて、土産物屋に入ったが、お目当てのものはないようで、考えていたのとは違う饅頭を買ってしまった。すぐに店を出てタクシー乗り場に急いだのだが、1人しかいない。
みなさん、土産物屋とかトイレに行ったらしい。ほかの人を待っているときだ。ゴロゴロという音が聞こえて、まさか雷?と思ったら、仲間の人が出てきて、稲妻も光ったということだった。
良かった、明神から引き返して。それで皆が集まってそのタクシーに乗り込み沢渡へ。途中窓を閉めていても硫黄くさいなと思ったら、やはり温泉が湧いているとのことで、冬に道路凍結を防ぐために温泉を利用しているという話だった。
沢渡でも雨が降り続いていたので、急いで仲間の方の車に乗り換えて、出発。
冷えて寒かったので、温泉のことをタクシー会社の方に伺ったら、竜神温泉せせらぎの湯を教えてくださった。細かく行き方を教えてくださったので、新島々の手前で、慌てずに道路を渡り、赤い陸橋を渡って、後戻るようにしてたどり着くことができた。
あまり大規模ではないが、本当につるつるの湯で、小さいながらも露天風呂もあり、内湯にジャクジーもあって、なかなか気持ちよかった。
少し休んでから、中央道に入り、帰路に着いた。雨は降り続いて、慎重に運転してくださり、幸い渋滞もほとんどなくて、早めに帰れたのでほっとした。運転してくださった方、またまた長距離運転、ありがとうございました。最寄駅前ではちょうど小雨で荷物を下すのに支障がなく、ラッキーだった。すぐにまた雨が強くなってきたので。
たった3時間の歩行だが、ずっと雨にたたられて、結構疲れました。防水のはずの手袋もすっかり濡れていたし、防水として買った安物のゴアテックスのレインスーツは、雨がしみ込んでしまった。高い方のゴアテックスを買った方は全然しみてこなかったらしい。やはり出し惜しみするとダメですね。防水だけはしっかりしたものでないとね。これなら、ゴム引きの方がまだ濡れなかったなと思った。
幸い風がほとんどなかったので、これなら大きめの傘を持ってきたほうが良かったと思った。
おまけ:雨でもお猿さんが杉林で遊んでいた。どこにいるでしょう?緑色のふんが落ちていたのだが、どうも猿のふんではないか?と思われた。
きっと木の芽とか花とか若い実とかばかり食べているからだろう。
それと、帰りがけに落石が起こりかけているところがあるからと、、関係者が見張りをしている中、タクシーは通って行ったのだが、確かに左側の崖は亀裂が入っていて、ちょっと緊張した。見張りの方々も怖いだろうなと思った。