みなさんは小学校の時,虹の色を「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」と覚えたと思います。
韓国語では順に빨・주・노・초・파・람・보と覚えます。빨간색,주황색〈朱黃色〉,노란색,초록색〈草綠色〉,파란색,남색〈藍色〉,보라색の頭文字を取ったものです。韓国では日本と同じ7色なんですね。
さて,英語は"Richard of York gave battle in vain"と覚えるそうです。このフレーズは「ヨークのリチャードは無駄に戦った」と訳すことができますが,英語圏で虹の色を覚えるための記憶術としても使われています。つまりRed(赤),Orange(オレンジ),Yellow(黄),Green(緑),Blue(青),Indigo(藍),Violet(紫)です。この覚え方を見る限り英語圏でも虹の色は7色のようですね。
しかしLGBTを象徴する虹の旗の色は藍色と紫の区別がなく6色です。
みなさんは人の色彩感覚は民族によって違うということを聞いたことがあると思います。目に映る色の感覚は,そのままその言語の語彙体系に反映されるんだそうです。
ところで,韓国語は色彩に関する語彙が日本語以上に発達していることも,みなさん常識でしょうね。赤から派生した발그레하다,발그무레하다,발그족족하다,발그스름하다,볼그댕댕하다,불그레하다,불긋불긋하다,불그스름하다……などの色彩の違いを感じ取ることは,ネイティブでない限り,ほぼ不可能でしょう。
さらにほかの色彩についても파르스름하다,파르댕댕하다,파릇파릇하다,푸르죽죽하다,시퍼렇다,가무스름하다,가무칙칙하다,거뭇거뭇하다,거무튀튀하다,까무잡잡하다,새카맣다,시커멓다,하야말갛다,희끗희끗하다,희끔희끔하다,희부옇다,노랗다,누렇다,샛노랗다,노르스름하다,노르무레하다……と,複雑な層をなす表現があります。
韓国語の色彩を表す語は,擬音語・擬態語とともに,ㅏやㅗなどの陽母音と,ㅓ, ㅜ, ㅣ などの陰母音の対立で成り立っています。この方法で微妙な意味の違いを表しているのです。一般に陰母音の方が陽母音よりも程度が強く,陽母音は「小・少・弱・明」などの特徴を,また,陰母音は「大・多・強・暗」などの特徴を持っています。
たとえば「赤い」にあたる言い方には,一般的な色彩としての赤を表す붉다のほかに,빨갛다, 뻘겋다など具体的な赤を表す語があります。
これらについては次回,簡単にまとめてみましょう。
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