반죽は,粉に水を加えて練って置いたもの,つまりパンやピザ,うどん,そばなどの生地のことです。そして‘반죽이 좋다’と言うと,「生地がいい」という意味ではなく,「図々しい性格をしている」「大胆で無遠慮だ」という意味になります。
しかし,ネットを見てみると‘변죽이 좋다’ ‘번죽이 좋다’のように間違った表現が散見されますが,これには原因があります。その前に次の話を
最近,「文春砲」が話題になっています。「文春砲」というのは,週刊文春がすっぱ抜いた事件記事の俗語ですが,過去に「ジャニーズ事件」を執拗に取り上げたときには,日本のマスコミは,だれも追従せず,事件の真相を明らかにしないまま,報道が中途半端で終わってしまっていました。
このように,社会的に大きな話題を集めた事件の報道や捜査が,うやむやになって終わってしまう場合,新聞には“○○ 수사, 변죽만 울렸나.”のように‘변죽을 울린다’という表現がしばしば登場します。
변죽を辞書で引いてみると,「器・膳・チャング・太鼓などの縁」という説明が出ています。변죽の변は,漢字語の〈邊〉だということに気がつけば,理解が早いです。
・그 사람은 변죽만 울리고, 아무것도 구체적인 것은 말하지 않았다.
〔その人は適当に言うだけで,何も具体的なことは言わなかった〕
・변죽만 울리고 선거에 당선된 그 의원은 결국 아무런 성과도 거두지 못했다.
〔鳴り物入りで選挙に当選したその議員は,結局何の成果も上げられなかった〕
・국회의원 부인이 살인 사건에 연루된 혐의로 수사본부가 출범했지만 상층부의 압력으로 변죽만 울리고 말았다.
〔国会議員の妻が殺人事件にかかわった疑いで捜査本部が立ち上がったが,上層部の圧力で事件はうやむやになってしまった〕
‘변죽을 울리다’は,このように,はっきりとは言わず,遠回しに言う,物事の始めだけ盛り上げ,たいしたことをしない,物事の真相を隠して表面だけを飾るというような意味合いを持ちます。
最近では,“변죽만 울리는 이준석 신당 창당 언제 하나”という見出しを見つけました。日本語にうまく訳すとしたら「鳴り物入りの李俊錫の新党結成,いつになるのか」といったところでしょうか。
“변죽을 치면 복판이 운다.”という諺もあります。物の縁を叩くと,音が響いて中心まで届くという意味で,機転の利く人は,遠回しに言っても何を意味しているのかをすばやく理解するという意味です。
‘변죽을 울리다’と‘변죽을 치다’は,どちらも「大げさに言い立てるだけ」「空騒ぎをする」という意味の表現です。
冒頭でお話しした‘변죽이 좋다’ ‘번죽이 좋다’は,‘변죽을 울리다’に引きずられて誤記してしまった例です。
・변죽을 울리다
・반죽이 좋다’
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