上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

01_ヘビのご飯

2008-12-26 | 動詞
春と言えば,「春の七草」。韓国語で言えますか。
セリ(미나리),ナズナ(냉이),ゴギョウ(떡쑥),ハコベラ(별꽃),ホトケノザ(광대나물),スズナ〔カブ〕(순무),スズシロ〔ダイコン〕:무

この季節,新鮮な春野菜のてんぷらが食べたいですね。
日本人なら誰でもそう思うでしょう。
しかしこれを翻訳して“이 계절에는 신선한 봄 야채 튀김이 먹고 싶네요.”といっても韓国人にはピンと来ないと思います。

春野菜,山菜と言えば,タケノコ(죽순〈竹筍〉),うど(땅두릅),タラの芽(두릅나무의 새싹),菜の花(유채꽃〈油菜-〉),それに뱀밥という名前のものがありますが,さて何だと思いますか。直訳すると「ヘビのご飯」です。

答えは「つくし」です。

뱀밥이 쑥 머리를 내밀었다.(つくしがぴょこんと頭を出した)
뱀밥이 뾰족뾰족 뻗어 나와 있다. (つくしがつんつんと伸びている)

韓国語の単語の中には,このほかにも도장밥,귓밥のように,밥という言葉がついていても,「ご飯」とはまったく関係のないものがあります。

도장밥は圖章밥[-빱]と書いて,字のごとく朱肉のことで,인주〈印朱〉ともいいます。

귓밥は「耳くそ」「耳垢」の意味でよく間違って使われますが,元来はイヤリングやピアスをするところ,つまり耳たぶの下の厚くなっている部分のことです。

イヤリングは,英語そのままに이어링と言えば問題ないのですが,純粋な韓国語では何というのでしょうか。

귀고리が正しいのでしょうか,それとも귀걸이が正しいのでしょうか。

이현령비현령〈耳懸鈴鼻懸鈴〉という漢字熟語がありますが,これはやさしく言うと‘귀에 걸면 귀걸이 코에 걸면 코걸이’(耳にかければ耳飾り,鼻にかければ鼻輪),つまり「どちらにも取れる」「玉虫色だ」という意味の言葉です。
この場合は「耳にかける」ということから귀+걸다=귀걸이という単語が使われています。

国立国語院の「標準国語大辞典」によると,고리というのは,(ドアの)取っ手や鍵などのリング状のものを指すという解説が書いてあります。

ですから,イヤリングは「耳輪」という意味の귀고리,「耳かけ」という意味の귀걸이どちらもオーケーです。

ただ,防寒具の「耳当て」は귀걸이,また,めがねをなくさないようにひもで耳にかけるタイプの老人用めがねのことは귀걸이 안경といいます。

先ほど「耳くそ」「耳あか」を指すときに귓밥という言葉が間違って使われているという話をしました。

よく“귓밥을 팠더니 시원해요.(耳あかを取ったらすっきりしました)”のように使われますが,「耳あかをほじくり出す」ことは귀지를 파내다と言わなければいけません。

ではこの귀지を書き出す道具,「耳かき」は何というのでしょうか。
よく귀후비개,귀파개,귀쑤시게など適当に言われていますが,これは正式には귀이개と言います。

余談ですが,多年生の植物にミミカキグサ(Utricularia bifida)というのがあります。
「耳かき」のような形をした食虫植物で,この韓国名は땅귀개です。
1988年のハングル綴字法の標準語規定で「耳かき」は귀개を捨て,귀이개とすると定められたのですが,派生語は귀개そのままの形で残ったからです。

ここまで書いたら最後は「目やに」と「鼻くそ」ですね。
「目やに」は눈곱です。눈곱이 생기다,눈곱이 끼다と言うように使います。
「鼻くそ」は코딱지といいます。

みなさんは「目くそ鼻くそを笑う」ということわざを知っていますか。
汚い目やにが,鼻くそのことを汚いと言って笑う,つまり自分にもある欠点なのに,相手にそれと同じ欠点を見てあざ笑うことをいいます。
韓国語では똥묻은 개가 겨묻은 개를 나무란다. といいます。

きょうもいろいろな言葉を勉強しましたね。
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
風流な単語なのに (masao)
2012-05-30 07:47:32
ツクシが「ヘビのご飯」とはしゃれてますね。
でも韓国人はこういった風流な単語をあまり知らないですね。
誰も「つくし」なんか知らないという回答でした
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