昨日は香港よりお客様。
とても優しそうなご夫妻。
ほとんど日本語がお話になれなくて、シェフも私もできうる限りの英語でご説明。
料理一品一品を本当に喜んでいただいて、とっても感激してくださいました。
シェフの丁寧な料理、彩り、盛り付けの美しさ、
素材ひとつひとつの名前、スパイス、ハーブ、、、
そして時には「How do you make it?」と
どうやって作るの?まで聞かれて、
私もつたない英語で、なんとかご説明。
本当に、いろいろと興味をもっていただいて、楽しく美味しくお食事されました。
お食事のあとに、私たちにこの言葉をささげたい、と
メモに書いてくださいました。
「守破離」
お恥ずかしながら、私は初めて聞いた言葉で、
その場ですぐに調べました。
「守破離」
もとは千利休の訓をまとめた「利久道歌」の一つにある、
「守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を引用したものとされているそう。
「まずは師匠に言われたことを、型を「守る」ところから修業が始まる。
その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる方を作ることにより既存の方を「破る」。
最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、
自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。
武道等にお於いて、新たな新派が生まれる。
「本を忘るな」とあるとおり、
根源の精神を見失ってはならず、基本の型を会得せず、いきなり個性や独創性をだすのは「形無し」である。
「型があるから型破り、型がなければ形無し」
というふうに、十八代目中村勘三郎さんの座右の銘としても知られているそうです。
お恥ずかしながら、知らない言葉でしたが、
調べてみると、本当にこの上ないお褒めのお言葉をいただいたような気がします。
日本語でも英語でもうまく会話もしていないし、
私たちのことを何も知らないでご来店され、
もちろんどこで修行した、とか全くご存知ないなかで、
このようなお言葉をいただき、本当に嬉しいです。
英語はうまく話せませんでしたが、
シェフの料理は、言葉は関係なく、ストレートに伝わったようです。
「料理の力」ってすごい!って思った、そんなディナーでした。
「守破離」
深い言葉です。