シルバー日記

80婆の日々の記録と写真

危機を詠む 歴史に残す

2020年05月26日 | 日記


このタイトルは、5月26日の朝日新聞の文化・文芸欄の見出しだ。
歌人・細胞生物学者である永田 和宏氏の寄稿文の表題だ。朝日新聞短歌の選者の一人であり、毎週読ませていただいていた。
寄稿の内容に驚きと感動に浸った。全部かけないので、是非読んでほしいと思った。
まず、「コロナウイルスはまさに100年に一度のパンデミックなのだと。1918年世界を襲ったスペイン風邪がそれであった。
世界人口の3分の1、5億人が感染し、4000万人以上が死んだと言われた。日本でも2000万人以上が感染し、40万人近く死者を出したと言われている。
歌人・与謝野晶子の家では、一人の子が学校で感染し瞬く間に家族殆どが感染した。晶子が、「感冒の床から」と題して、何故政府は「多くの人間の
密集する場所の一時的休業を命じなかったのでしょうか」と糺し「社会的施設に統一と徹底との欠けている為に、国民はどんなに多くの避けられるべき
禍を避けずにいるか知れません」(横浜貿易新報)と苦言。現代と何ら変わらぬ政治的風景である」と永田氏の文章だ。
そして、朝日歌壇投稿者の歌に触れながら、この国のあるまじき政策に厳しく言及されていた。
感動したのは、「歴史上の出来事は、歴史書が後世に残してくれる。しかし、その歴史の真っただ中で生きていた生活者の声は歴史書には残らない。
歌は庶民の声を残すに最も適した詩型である。一首では時代の声は伝わらないが、万になればそこに紛れもない人々の声が聞きとれる。」と。

私もちっぽけな一人だが、庶民の声を残さないとと思ったところだ。伝えられるような歌が読めればだがーーー。