前回は思いっきりSF未来戦争ものだったので、今回は日本人の心の支えというべき《時代劇》を扱っためんこを紹介します。
1990年放映の『参上!天空剣士』を最後に子供向けオリジナル時代劇ヒーローが絶えて久しいが、めんこ全盛の昭和30年代には映画はもちろん、テレビ、漫画、絵物語にいたるまでジュブナイル時代劇というべき物が存在していた。
講談を題材にした昔ながら物のもあれば、伝奇趣味に走ったものまで実に多種多様。同時期にテレビで人気を博していた『ローンレンジャー』などに代表されるチャイルド・ウエスタンの日本版みたいな感じ。
先ほど亡くなられた山城新伍の代表作である『白馬童子』と作品名不明の市川雷蔵の写真めんこ。写真ものだけどコピーライトマークがないんですが…おおらかな時代である。
こちらは図柄不明の時代劇めんこと横山光輝の『伊賀の影丸』めんこ。左側の図柄不明ものは当時の絵物語がテキストでしょうか?前の持ち主がマジックペンで顔に縁取りしちゃってます。あー、私もよくやりました。
「はやぶさ剣士」、「三日月天狗」と書かれた謎のめんこ。
「はやぶさ剣士」は昭和31年に小島剛夕が『おもしろブック』(集英社)に描いていた絵物語…というが実際の絵柄・キャラクターと似ても似つかないので名前だけ拝借したのでしょうか?「三日月天狗」はこちらも同時期に『少年画報』(少年画報社)に連載していた絵物語(植木金矢・作)。
最後は写真(実写)版と原作版(これも『少年画報』連載)の『天馬天平』(堀江卓・作)めんこと、武内つなよしが昭和32~3年に『幼年クラブ』(講談社)に連載していた『どろんどん助』めんこ。
いやー、とりあえず人気のあったモノはめんこ図版になっているのね。それが売れたかどうかは別として。