御題 旅
を作曲した。感無量である。
日本に天皇制が生まれてこのかた、外国人によって、この本土・大八洲が支配を受けたり、占領されたりということはかってなかったことだ。
明治維新をやりとげ、近代国家の体裁を整え始めてから、日本は侵略戦争を始めるようになった。
そして昭和に入り、中国大陸を侵略するために、戦いを起こし、近隣諸国に多大の迷惑をかけて、結局は、米英相手に開戦し、敗戦し占領され、日本開闢以来、外国人による支配を受けた。
日本の頂点に立つ天皇様の思いは一体どんなものであったろう。
しかし、時間を経て、日本は開闢以来の発展をとげ、世界経済のリーダー役までになった。
そのような未曾有の経験をされた天皇様が祖先のふるさと・大和路を旅されたときに詠まれた短歌がこのときの御題旅なのである。
天皇陛下の心の中に去来したもろもろの想念は如何ばかりなものであったろうか。
その胸中を詠まれた天皇陛下の心中の思いを私が想像してみた。とても言葉には成らない。天皇様の思いを重ねて、二重映しにして作曲してみた。
普通は、思いは言葉となって表現されるが、あまりにも複雑な思いが、重なる場合、言葉では表現できない。おそらく、色とか、音でしか表せないのではないか。 弦楽4重奏曲に編曲して御一家で楽しんでいただければこのうえない幸せである。