日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

出てくるのを待ち受けている乞食

2009年05月13日 | Weblog

 

カルカッタのサダルストリートのレストランで、僕は食事をしていた。入り口に近かったので、通りにいる乞食と目があってしまった。それからというもの彼女は僕の事をずっと監視している。捕まりそうで食事が終わっても出るに出られない。乞食とは辛抱比べが始まるばかりで、時間はどんどん過ぎて行く。意を決して僕は出ることにした。が、この乞食を煙に巻く方策は何もない。僕は走って強行突破しようとした。ところが運悪く乞食が腕をつかんだ瞬間滑って転んだ。何やら大声でののしりながら、立ち上がって逃げるように走り出した。 息切れがしてたちとまったとき、僕は自分が情けなくなり自己嫌悪に陥った。わずか、ほんのわずかのルピーを与えるだけでこんな思いはしないですんだのである。なぜ僅かな金をけちるのか。乞食だって人間ではないか。何故虫けらのように忌み嫌うのか。いつも命の共生を考えているではないか。今自分は日頃考えていることとは全く逆の事をしているのではないか、何故もっと優しく接することが出来ないのか、次から次から自分を責める考えが襲いかかる。それにしてもこれは政府の仕事だ。個人がセンチメンタルに救済したところが焼け石に水。システムとして考えないとどうにもならんしそれは政治が解決する事だ。

 

世界には狂気がまかり通っている。インドの乞食しかり、カンボジャのポルポトの虐殺、ユーゴーの民族浄化問題しかり。 ああ、もういやになった。