■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-29b プロ管理職のリーダーシップ 日本型の新しい「管理」のあり方 リーダーシップの定義
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ
私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。
管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
■ 2-29b 日本型の新しい「管理」のあり方 リーダーシップの定義
< 管理編2-29aの後編>
また、これを受けまして、リーダーシップにつきましては、次のように定義づけしています。
内外の時代変化を先読みし、
自分の信念や理念を持ち、
その適切性を常に疑い、重考し、
自分に自信を持ち、
目的と手段を明確にし、
常に全体最適の視点を持ち、
機会損失を極力抑えられるように工夫をし、
関係者が、組織の方向性と人間性の重要性を理解し、
期待される成果を達成するために
自主的に行動できるように
”温かい管理”を用いて導ける力
「温かい管理」の基本は、「人間性や自主性を重視して、仕事をしやすい環境・条件を作る」ことです。
リーダーシップもマネジメントも、またそれを統合した管理も、目標に向かって、組織的に動くことにより、結果に結びつかなくては意味がないのです。
リーダーシップというのは、「リーダーが持つべきスキルである」と考えていらっしゃる人も少なくありません。しかし、リーダーシップというのは、マネジメントと両方の相乗効果を活かして、管理という統合力があって初めて実務に活かせるのです。
リーダーはいうまでもなく、リーダーだけではなく、メンバー一人一人がリーダーシップを発揮することで、個人も組織も成長せせていかなければならないのです。
「管理とは、仕事をしやすい環境・条件作り」のことですので、リーダーシップというのは、部下に対する牽引力だけではなく、上司に対してもリーダーシップを発揮し、上司を動かすことにより、仕事がしやすくなるように条件を整えていくことなのです。
また、関連部署や関係者に対しても、同様にリーダーシップを発揮することにより、目的や計画を達成することにつなげてゆかなければなりません。
リーダーシップを発揮するのに、最もやっかいな相手は、自分自身です。自分自身が、仕事をしやすくするために、自分自身にリーダーシップを発揮してゆくのです。
この様に各方面にリーダーシップを発揮しますと、自分の思考法が変わってきたり、視野が広がってきたりします。「自分がやらなければだれがやる」という気持ちが強くなり、主体性が増してきます。それがモチベーションの高揚に繋がりますので、仕事がスムーズにはかどるようになるのです。
自分の行動力が高まりますと、上司の見る目も変わり、また周囲の人も耳を貸してくれます。結果として周囲にも変化が起こり、それがさらなる善循環(好循環)に繋がり、全社に活気が漲ってくるのです。
「管理というのは、監視され、縛られるような感じがする”冷たいもの”」というイメージが強いですが、「管理とは”温かいもの”」なのです。
<続く>
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