
■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312
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■ 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312
愛知県岡崎市は、徳川家康の生誕地として知られる。NHKの大河ドラマ 『どうする家康』が放送されました。JR岡崎駅を降り立つと、家康ゆかりの地を紹介 するコーナーが設置されているなど、市を挙げて家康ブームを盛り上げていました。近年、岡崎城などを巡る家康ファンの姿がよく見られるという。
この岡崎の地で、世界の半導体市場に挑戦しているのが、A社。創業者であるM社長が、大手自動車部品メーカーに 在職中に研究した技術をもとに開発した商品は、 非破壊・非接触で半導体製造の後工程の接合状態を瞬時に検査するという 業界初の検査装置。それまでの半導体検査は、抜き取りによる破壊検査か画像 処理による外観検査が主流で、良品を破壊するムダや、接合状態を直接検査 できないことによる不良品の発生といった課題があった。
M社長が同社を創業したのは2018年。大手自動車部品メーカーを定年退職 した60歳の時。在職していたメーカーで事業化しない方針が決まり、「それなら 自分でやってみよう」と決意しての起業だった。開業資金は日本政策金融公庫 の創業融資でまかなった。この商品は1台2,500万円程度という高額商品。しかし、 半導体の歩留まり改善に寄与する検査装置として、半導体メーカーから注目 されている。
M社長が心掛けているのは、社員のワークライフバランス。残業ゼロを 掲げている。「私の若いころは会社に寝泊まりしてでもやれという時代だったが、 実際は疲れていい力はでない。短時間に集中して仕事してもらった方がいい」 と長時間労働には否定的だ。また、社員の給料は毎年社長との相対交渉で決める ことにしており「中には私より高給な社員もいる」と報酬面でも配慮している。 「日本は技術者のステータスが低い。私も若いころから発明をしていたが、 報われなかった。だから優秀な人が海外に流れてしまう」と自身の経験から、 技術者・社員を大切にする経営を心掛けている。
この商品は国内外の半導体メーカーからの要望が相次ぎ、受注を待ってもらっている状況。「まずは国内の半導体メーカーからの発注に対応し、来年には台湾 など海外メーカーからの需要にも応じていく」という。同社は早期に年間売上高 20億円を達成し、さらに成長を目指している。徳川家康が関ケ原の合戦に勝利し、 天下統一を果たしたのは59歳、徳川幕府の基盤を築いたのは60歳代でのこと。 60歳で起業したM社長の世界市場を見据えた天下取りもこれからが本番だ。
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大手企業に在席していたときに、提案をしたものの受け入れられず、「それなら自分で作ってやる」という気持ちで独立起業して着手したそうです。
成長産業の中のニッチ部分というのは、必要性が高くても大手企業が手を出さない、ニッチ市場なのです。「困っている」「大手が手を出さない」というニッチ産業こそが中堅・中小企業の出番です。その分野でナンバーワンになることは、問題の難しさ、開発費用・期間を勘案しますと大変なことでしょう。
そのような状況下では、開発者等は寝食を惜しまず仕事をしがちですが、M社はワーク・ライフ・バランスを重視するという、一見矛盾をはらんだことをやり遂げているのです。
このような矛盾を解決するには、熱意・意気込み・使命感などが高くなければできないことです。
中堅・中小企業成功の鍵が、ここM社にも潜んでいますね。