■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 世界に発信できるブランド名「TOKYO WOOD」 3719-4c31
経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。
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■ 世界に発信できるブランド名「TOKYO WOOD」 3719-4c31
今や日本国民の4割近くが発症している花粉症。“国民病”ともいえる花粉症 に対して岸田文雄氏が首相であった頃、国として対策に本腰を入れていく方針を示し、 話題となった。そこで思い出したのは石原慎太郎東京都知事(当時)の花粉症 対策である。2005年にスギ林が多い多摩地域を公務で訪れた際、花粉症を発症 した石原氏は対策の強化を打ち出したのだ。
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その内容はスギの主伐と間伐。このうち主伐は木材用に切り倒すことで、 替わって花粉の少ないスギの苗木を植えていく。この対策を円滑に進めるうえで 重要なのは伐採した木の使い道である。木材の行き場がなければ植え替えは 進まない。そこで東京都は多摩産材の活用拡大に乗り出した。学校や図書館 といった公共施設のほか、鉄道会社が駅舎の改築に利用するケースも出ている。
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住宅での活用も進められている。なかでも注目されるのがK社 (東京都小金井市)の取り組みだ。地元・東京の木材を活用した地産地消の 家づくりを進めている。手間暇のかかる天然乾燥にこだわるなど厳しい基準を 設定し、「TOKYO WOOD」としてブランド化に取り組んでいる。林業者や製材所 など関係者は当初、強く反発したが、同社のK社長は辛抱強く説得を続け、 協力を取り付けた。
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ブランド名もK氏の発案だ。「多摩産材」との呼び方が普及していたが、 「東京の木を日本一のブランドにするには世界に発信できるネーミングが 必要だ」として、周囲の反対を押し切って「TOKYO WOOD」という新しい名称を 採用した。さらに社名も、それにともなって変更したいと希望している。「東京の木を活用することで循環型の林業を復活させ、東京の森を守り続ける。こうした 取り組みは私一代の話ではない」とK氏。そのためには個人の名前を冠した 社名はふさわしくないというのだ。いつの日にか新社名 がお目見えするかもしれない。
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出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成