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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-27 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを効果的にとる方法

2023-03-08 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-27 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを効果的にとる方法

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-27 代表的なリーダーシップ論のひとつ リーダーシップを効果的にとる方法

 リーダーシップの取り方に決まりがあるわけでありません。リーダーとメンバーの組み合わせで、何十、何百通りの方法があると考えると良いのではないでしょうか。

 そうはいいましても、大雑把な分類は可能ですので、リーダーシップの取り方をいくつかご紹介します。

トップダウン型

 典型的なリーダー像といっても過言ではありません。計画や目的だけではなく、自分の基本的な考え方を掲げ、それに向かってメンバーを引っ張ってゆきます。

 カリスマ性のある人が多く、メンバーもリーダーを慕ったり、尊敬したりすることが多いです。

 一方で、このタイプのリーダーは、自分の考えに固執しすぎたり、理想論に走りすぎたりして、メンバーの中には反発心を持つ人もいます。

 自分の考えを押しつけるのではなく、なぜ、この様なことを行うのか、その本質をメンバーに納得させることにも腐心すべきです。

率先垂範型

 リーダー自身が実務執行力を持っていて、自分が率先して現場業務をこなし、メンバーは、リーダーの背中を見ながら、リーダーのやり方を手本とし、ついていくタイプです。

 メンバーは、よいお手本がありますので、その通りに実行すれば、自分もそれなりに仕事ができてしまいますので、自分で工夫して仕事をしたり、悩んだりするという経験の機会が少なく、リーダーが変わりますと、途端に萎んでしまう人もいます。

 リーダーも、自分が手本を示すこと以外の部下育成能力が充分でないことが多く、部下の個性を活かした成長が阻害されてしまいます。また、自分で仕事ができるために、だれもが同じようにできると思い込んでしまい、それをメンバーに期待します。期待が大きすぎて、それを感じ取るメンバーは自信を喪失したり、やる気が失せたりすることがあります。

 リーダー自身が、自分で手本を示すつもりが、自分で部下がやるべき仕事にまで手を出したり、自分のやり方を押しつけたりして、メンバーから煙たがられることもあります。


アドバイザー型

 面倒見のよい人に多く、メンバーにアドバイスをしながら、その人の能力を引き出せるタイプのリーダーです。

 コミュニケーション能力が高く、メンバーとの報連相を重視します。メンバーのやり方を尊重するようにしますと、その人の能力を最大限活かせ、成長させることに繋がります。

 一方で、アドバイスが行きすぎて、「答まで教えてしまう」傾向があり、せっかく、よい面を持っているにもかかわらず、良かれと思ってやっていることが、メンバーの成長阻害に繋がっていることに気づかないことが多いです。

 育成という、時間をかけるやり方は得意ですが、「今月、あと1000万円の受注をとらなければ、目標値に達しない」というような、緊急性が高く、短期的に対応しなければならないときに、充分に力を発揮できないことが多いです。

 カウンセリングのスキルを高めますと、一層効果を上げることができるタイプです。


ボトムアップ型

 メンバーの自主性や経験からの提案を重視し、それに基づいて自分の組織の運営を行うタイプのリーダーです。

 メンバーは、自分の提案に熱心に耳を傾けてくれるリーダーに対して好感を持ち、モチベーションが高まる人がおおいです。

 一方、メンバーとのコミュニケーションは、傾聴が中心であり、報告の時間が長かったり、会議の回数が多かったりして、実務の時間にしわ寄せが行ってしまう欠点があることが多いです。知識・情報が豊富であったり、能力の高いメンバーは、自分の成長の機会が多く歓迎したりしますが、そうでない人達は、ますます萎んでしまいがちです。

 このタイプのリーダーで、自分自身に自信のない人は、メンバーの言いなりとなり、組織としての体をなさなくなってしまうこともあります。リーダーは、目標や計画、方針などをキチンと示し、その実現のための提案や企画を求めるべきです。それにより、メンバーも、それに基づいて検討し、彼等からの声にも方向性が出てきて、組織としてのまとまりもできます。

 メンバーの声の中には、見当違いであったりして、採用はできないことも多いでしょうが、それに対しても真摯な対応が求められます。良いものは取り上げ、即実行はできないが将来の課題として重要なものは、条件が整った時点で方針や計画に組み込むようにし、メンバーの声を大切にする必要があります。

 コーチングのスキルを身に付けますと、自分がそれまでやってきたやり方の問題点にも気づき、よいリーダーに成長できる可能性が高いです。


その他

 人間関係を重視する「仲良し型」のリーダーもいます。ボトムアップ型と同じような長所短所があります。人間関係を重視するあまり、メンバーを信頼しすぎて、期待を裏切られることもあります。

 友好的な人間関係を重視するあまり、「八方美人型」になってしまい、相手に対しては真剣に耳を傾け、その人を傷つけないように、その場に応じたことを言う傾向があります。そのために、相手により、趣旨が異なることを言ってしまい、俯瞰的に見ますと矛盾が生じてしまいます。

 これらと対照的なのが、「ワンマン型」のリーダーです。自分の言うとおりにしてくれないと気が済みません。自分の言うことを素直に聞く人をひいきし、そうでない人の評価が高くなくなることもあります。メンバーの言うことに耳を傾けることが少ないために、リーダー自身の成長も阻害され、メンバーも萎縮し、成長できないでいます。

 中には、リーダーとしての能力や自覚が欠如していて、「無責任型」のリーダーもいます。同じ無責任でも、「物忘れ型」「朝令暮改型」のリーダーも散見され、会議の決議事項や、自分の指示や命令すらわすれてしまって、それらに反する言動をとったりします。

 この様なリーダー不適格者は、再教育をしたり、部下のいない役職に就けたり、必要に応じては降格などもやむを得ないでしょう。


 上記は、代表的なリーダーシップの取り方ですので、そのいずれかにマッチするわけではなく、TPOにより、使い分けが必要です。自分が、どのタイプのリーダーに近いのかを再確認し、自分自身がリーダーとしてどう変身すべきかを謙虚に考える必要があります。

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-26 プロ管理職のリーダーシップ PM理論を活用する方策

2023-03-06 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-26 プロ管理職のリーダーシップ PM理論を活用する方策



 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。


 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。


 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。


 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。


 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。


 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。


 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。


 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?


 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。


 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。


 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。


メモ


■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方


 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。


 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。


 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。


 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。


 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。


 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。


 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。


  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f


 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。


 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。


 


■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 


 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。


 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


 


■ 2-6 代表的なリーダーシップ論のひとつ PM理論を活用する方策


 リーダーが、リーダーシップを発揮できるようになるためには、「リーダーとしての自覚を持ち、組織で動くことの重要性を再認識する」ことから始めるべきでしょう。


 リーダーシップは、先天的に備わっているという側面がないとはいえませんが、後天的であって、努力次第でも身に付けることができるということを信じることです。


 ここでは、PM理論の活用により、メンバーとの信頼関係を強化しながら、リーダーシップを発揮するという観点で見て行きます。


P機能を向上させる方法


 既述の通り、P機能(performance function)とは、「目標・計画をもとに指示・命令を出し、生産性を高め、目標を達成する機能」のことです。


 リーダーの立場にいる人が、P機能を高めるためには、PDCAと、別項で述べています「共通目標・共通認識・共通行動目標」を常に念頭におくことです。


 企業や組織として基本思想を示しています経営理念・長期基本戦略・中長期経営計画などの上位概念という共通目標を、共通認識し、それに基づいて年度計画の達成に向かって共通行動するのです。その目標の達成のために、リーダーとしての月次の方針と計画を部下に明示して、自分が何を望んでいるのかを部下に示すことです。


 そして、それを達成するために各自が当該月に何を、だれに対して、いつまでに、どの様にやるのかを明記させ、その進捗状況をチェックすることが、リーダーシップを発揮する基本なのです。


 進捗チェックは、上位概念を示す書類、計画書および事前に提出させた報告書を面前に置いて、口頭報告をさせ、計画や、その前に出した指示命令の結果がどうであるのか、その原因・理由は何か、それに対して、今後どの様に進めてゆくのかをアドバイスしたり、新たな指示命令として出したりします。


 それら双方向コミュニケーションを口頭でのやりとりだけに留めず、そのやりとりを報告書等に記入をしておきます。それが、次回のコミュニケーションのチェック項目ともなります。


 これら、誰もが知っている管理職としてのあたり前を、あたり前に継続していくことが、ノウハウの蓄積を通して、リーダーとしての実力を高めてゆくのです。


M機能を向上させる方法


 M機能(maintenance function)は、既述の通り「組織全体の人間関係を重視し、その融和により、組織としての力を高める機能」のことです。


 組織を統率して、管理会計的視点で予実積管理をしたり、部下育成を図ったりと、別項で述べています「温かい管理」を推進してゆきます。


 コミュニケーションも、一方向の上から目線で行うのではなく、双方向コミュニケーションが基本で、相手の人間性を重視、相手の納得ることを目標とします。


 何よりも双方の信頼関係醸成が基本になければなりません。「アメとムチ」という言葉は好きではありませんが、相手の性格に応じて、持ち上げたり、厳しく接したりと緩急を得た対応が必要です。


 「相手も人間である」という意識を忘れてしまいますと、上に立つ者という意識から上から目線になりがちです。人間というのは、必ずといっても良いほどに、何かよい面を持っています。その良い面を見て、評価をしてあげることが重要です。時には、相手が愚かに見えることがあるかもしれませんが、それは己の驕りなのです。


 自分も部下も同じ「人間」なのです。悩むこともあれば嬉しいこともあります。部下の悩みに寄り添う気持ち、部下によいことがあれば他のメンバーと共に一緒に喜んであげることも必要です。強みを引き出し、本人が働きがいを感じることができるように導くことが、双方の信頼関係醸成に繋がるのです。


 PM理論は、リーダーの資質を見るだけではなく、部下達も、同じように分類できます。その特質を活かして接することが肝要です。こじんのちからにはげんかいがありますので、組織を活かして動ける組織力の維持と強化を図ることが、関係者を幸せにするのです。


 


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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-25 プロ管理職のリーダーシップ PM理論を実務に活かす

2023-03-03 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-25 プロ管理職のリーダーシップ PM理論を実務に活かす

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-25 代表的なリーダーシップ論のひとつ PM理論を実務に活かす

 

 PM理論を上手に活かすには、PM理論を知らなければなりません。

 PM理論は、PとMをXY軸に見立てて4つの象限で見ます。PとMの二要素の強い方を大文字にして、この4つのセルを「PM型」「Pm型」「pM型」「pm型」に分類しています。

 PもMも、高いことが望ましいことは想像がつきます。それぞれの特質を見てみましょう。

PM型

 PM型リーダーは、理想的なリーダー像といえます。目標達成意識が高く、その上、組織的活動もできますので、「1+1」が「2」ではなく「2以上」にもなるのです。中には、「百人力」の人もいるかもしれません。

 是々非々を基調にし、厳しさと優しさを兼ね備えた人が多いです。組織力を活かすためにメンバーの特質を掴み、それを活かすことが上手です。各メンバーに、自分の任務意識を持たせ、その目標や計画が必達できり、全体に相乗効果を出すように仕向けられます。

 各人の個性を活かしてはいますが、バラバラではなく、巧みな組織運営術で全員を同じベクトルにあわせるようにぐいぐいと当速力を持って牽引してゆきます。それが、その組織の目標を達成するだけではなく、次の一歩のための活動も包含していますので、成長が持続します。

Pm型

 Pm型は、別名「ワンマンプレー型」とか「一匹狼型」といわれます。目標達成意識はあるのですが、組織的な活動が苦手な人達で、組織力を活かすのではなく、個人プレーで最大の効果を上げようというタイプです。

 P機能が強いですと、短期的に成果を上げられることもありますが、組織的な活動ができませんので長期的に、それが持続することは難しいでしょう。

 Pm型の人が、リーダーになりますと、組織のメンバーはやりたい放題のことをやってしまう欠点があります。メンバーに、自分のノウハウを伝授するような行動を取れると良いのですが、メンバーが目に入らないと言いますか、育成という意識も希薄です。彼等の相談相手というより、「俺のやり方を盗め」という指導法です。そのために、メンバーは個性を伸ばす機会になかなか巡り会えません。

 何か、新しいプロジェクトを推進しようというときに、「部下に仕事をやらせるのは、まどろっこしい。教える時間がもったいないので、自分でやってしまった方が早い」と、自分で動いてしまいます。

 このタイプには、実力を持っている人が多いですので、個人としての結果は出せますが、せいぜい一人分の数十%程度の結果に留まります。ですから、組織全体としては、必ずしもコンスタントな結果が得られる状態ではありません。

 組織崩壊の懸念が高いです。このタイプのリーダーは、「温かい管理」を身に付けることにより変身できます。

 メンバーに対する意識を持ち、メンバーに応じたアドバイスをしたり、メンバー間のコミュニケーションを円滑化させ、調整をはかったりするなどしますと、PM型に近づき、よい方向に向かう可能性があります。

pM型

 pM型は、俗に「八方美人型」と言いまして、その名の通り、仲間との融和性が高いのが特徴です。仲間意識が高い一方で、目標意識が低いという難点があります。

 積極的に行動できる構成メンバーである場合には、自分自身で目標を設定したり、自発的に業務に取り組んだりと言うことができます。中には、「うちの上司は、管理職としては今ひとつなので、部下の俺たちが頑張らないとうちの課はもたない」と言って、上司のたりない部分を補うなどの行動を起こす場合もあります。

 一方で、構成メンバーが必ずしも、その様な人達だけではありませんので、部下に対して目標目標意識を持たせることができず、PDCAが上手に回ってゆかないことが多いです。

 リーダー自身が目標意識が高くありませんので、進捗管理などをすることをせず、厳しさに欠ける、”ぬるま湯”組織であることが多いです。

pm型

 pm型は、場当たり型といわれますが、あまり積極的な活動をしないタイプです。組織的活動が苦手であり、目標意識も低いですので、部下に対して指示を出すわけでもなく、自分自身で何かをするわけでもありません。

 リーダーとしては、問題があり、その上司いかんにもよります。管理職研修をやり直させたり、日常活動の中でOJTによる教育を図ったりして、鍛え上げる必要があります。

 多くの場合には、その様な努力をしても、pm型の人は、pMやPm型に返信することが困難です。組織崩壊や部下のやる気喪失状態にならないうちにリーダー職を外すことも必要でしょう。


 それぞれの特質を理解して、組織を構成し、運営していくことにより、PM理論を実務に活かすことができます。

 

 

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-24 プロ管理職のリーダーシップ 代表的なリーダーの理想型の理論 PM理論

2023-03-01 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-24 プロ管理職のリーダーシップ 代表的なリーダーの理想型の理論 PM理論

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-24 代表的なリーダーの理想型の理論 PM理論

 

 リーダーシップを語るときに、忘れてならないのが「PM理論」ではないでしょうか。

 PM理論は、管理理論としては珍しく、日本人が考案した、リーダーの分類法です。1966年に、社会心理学者であります三隅二不二氏によって提唱されました。

 PM理論は、組織的な活動を、リーダーが持つ力、すなわち「リーダーシップ」の観点から見てみようという考えです。「組織をさらに発展させる機能、すなわちコンピテンシは何か?」という観点で考察したリーダーシップ理論なのです。

 リーダーシップを、リーダーに必要な要素として「目標達成」に対する行動面と、「組織活動」という人間関係性の二面性をピックアップし、マトリックスに組み合わせてリーダーを分類しようという試みです。

 類似した理論として、FFS理論やマネジリアル・グリッド論がありますが、後者は、ほとんどのリーダーシップに関する書籍などで詳説されています。前者は、アメリカ海軍におけます「ストレスと性格」の研究において開発されたもので、経営コンサルタントなどの支援が必要なために、ここではPM理論をご紹介します。


 PM理論では、目標を達成する意識や行動力を「P:Performance Function」、「組織活動・人間関係」面を「M:Maintenance Function」とし、それをXYの二軸にして、4つのセルで考察しようという考えです。

 目標達成機能といわれますP機能のPは、既述のとおり、PerformanceのPです。出来栄えとか、成績、性能などの意味を持つ言葉ですので、組織が問題発見・課題解決などの業務を通し、生産性を高めて目標を達成する機能です。リーダーとして求められる「結果」をだせる力が評価されます。

 それに対して、集団維持機能のMは、Maintenanceの頭文字です。持続、維持とか保守保全というような意味を持っています。メンバーや仲間が相互信頼し、各自の強みを充分に発揮し、弱い部分を補完し合いながら、良好な人間関係を保ち、組織的な活動ができる、リーダーとしての力が評価されます。

 M機能が強いですと、職場の雰囲気は一見しますと良好に見えます。しかし、放任主義的な雰囲気から、メンバーが、自分の力以上に成果をあげたり、成長したりすることは困難です。

 P機能とM機能のバランスがとれるように伸ばして行かなければなりません。

 

 

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