すでに文庫本の中に収録されている短編小説から、
(主に『村上龍料理小説集』から)
『特権的情人美食』というタイトルにふさわしい作品を選りすぐった作品集です。
小説家の資質とは、大嘘つきであることだと、花村萬月がどこかで書いていた。
小説家はその想像力を駆使して小説を書く。
あたりまえである。
村上龍の小説を読んでいると、そのあたりまえのことが麻痺して分からなくなる。
飛行機のファーストクラスに乗って高級リゾート地に赴き、
スイートルームに宿泊し、高価なワインを飲み、
えもいわれぬ美味なるものを食し、コカインをやり、
美女とセックスに耽る。
それら全てが、村上龍が体験したことのような錯覚を覚える。
小説に書いたこと全てが作家の経験なら、
体はいくつあっても足りないし、お金もいくらあっても足りない。
ましてや、いくら印税で金持ちになったとはいえ、
まだ麻薬に耽っているはずがない。
僕が小説を読みながら味わっていた美味なるものは、
作家村上龍の才能だったのだと気付くのは、
次に凡庸な作家の下らない小説を読んでいる途中なのだ。
(主に『村上龍料理小説集』から)
『特権的情人美食』というタイトルにふさわしい作品を選りすぐった作品集です。
小説家の資質とは、大嘘つきであることだと、花村萬月がどこかで書いていた。
小説家はその想像力を駆使して小説を書く。
あたりまえである。
村上龍の小説を読んでいると、そのあたりまえのことが麻痺して分からなくなる。
飛行機のファーストクラスに乗って高級リゾート地に赴き、
スイートルームに宿泊し、高価なワインを飲み、
えもいわれぬ美味なるものを食し、コカインをやり、
美女とセックスに耽る。
それら全てが、村上龍が体験したことのような錯覚を覚える。
小説に書いたこと全てが作家の経験なら、
体はいくつあっても足りないし、お金もいくらあっても足りない。
ましてや、いくら印税で金持ちになったとはいえ、
まだ麻薬に耽っているはずがない。
僕が小説を読みながら味わっていた美味なるものは、
作家村上龍の才能だったのだと気付くのは、
次に凡庸な作家の下らない小説を読んでいる途中なのだ。
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