阪神大震災の直後に書かれた
6つの短編小説からなる小説集。
どれも、阪神大震災のことが物語の中に出てくる。
QPは最近、最新作『一人称単数』を読んだばかりであるが、
比較して、『一人称単数』の語り口がいささか重たかった
のに対し、こちらはよどみなくすらすらと流れる。
そして、震災という暗いテーマを掲げているにもかかわらず、
感性が瑞々しく、溌溂としている。
僕は、この中で、『蜂 . . . 本文を読む
アメリカ南部の裕福な農園で育った
ブランチは、両親の死後、身を持ち崩して町に住めなくなり、
ニューオリンズに住む妹ステラの安アパートに転がり込む。
だが、ステラの夫スタンレーとそりが合わず、
知られたくない過去を暴かれた挙句、
凌辱され、精神病院に収容されるところで幕は閉じる。
僕は、同じ精神障害者としてかなり身につまされて
この戯曲を読んだ。
世間の人にとっては、精神病院に入院 . . . 本文を読む
6年ぶりの村上春樹の短編集でちゅ。
8つの物語からなりまちゅ。
さて、幼児語はこのくらいにして、
今までの作品と比較して、
村上春樹が自分に引きつけて書いた作品が
多かった感じがします。
内容が、今までのエッセイと重複する箇所が多くて、
「あれ?これエッセイじゃなく小説だよな。」
と僕は自分に言い聞かせなくてはなりませんでした。
ファンとしては、どこからどこまでが事実で、
どれ . . . 本文を読む