キューピーヘアーのたらたら日記

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自虐の詩

2008-05-04 21:07:47 | さ行の映画
幸や不幸は、もう、いい

どちらにも等しく価値がある

人生には明らかに意味がある



なかなか、若い身空でここまで達観できるもんじゃござんせん。

いや、年を取っていようとも、今の日本、経験値の足りない輩が目に付いてしまう。


この映画と比較すると、『だめんず・うぉ~か~』なんて屁みたいなもんだ。

途中まで読んで辟易した自分の無意識を理解した。


たとえばである、キューピーのように福祉のお世話になってる、

社会のお荷物のような、人間のクズ男の人生には何の意味も無い、

と考えている人もいるだろう。

周りにそんな人がいると、キューピー自身でも、

そんなふうに思えることもある。


ヒロインの内縁の夫(安部寛)も、いわゆる社会のクズである。

仕事をせず、日がな一日パチンコをして過ごし、

妻がラーメン屋で稼いできた金をむしり取り、

卓袱台をひっくり返すしか能が無い、元ヤクザ。

そんな男にヒロインはとことん尽くし通す。

これでもか、これでもか、というくらい尽くす。



僕にとって、この映画は福音だった。

神様のウインクだった。


世の中には、いろんな人がいるものだ。

あるところには、ありとあらゆる幸福をひきつけ、

身に降りかかってきそうな不幸はことごとく撥ね返す、強力な幸福人がいる。

かたや、世の中の不幸を全て背負い込んで、

自分には幸福になる資格が無いのだと言い聞かせ、

近づいてきた幸福に自ら背を向けてしまうような人もいる。


強力な幸福人には、この映画が理解できないかも知れない。

頭では理解できても、号泣はしないだろう。

「不幸にも幸せと同じ価値がある」

そうは思えないだろう。

そんな人は、ひとたび不幸に見舞われれば、

完璧だったはずの自分の人生を傷物にした神を呪うだろう。

幸福の意味も、不幸の意味も知らずに一生を終えてしまうかもしれない。

味のしない料理のような一生。

末期になにを思うだろう?


一言だけ、付け足すなら、

ヒロイン:森田幸恵(中谷美紀)の人生は、神様から見ておいしい。


☆☆☆☆☆


今夜は女の友情に乾杯!

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