実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

「総括」

恐ろしく、また忌まわしい言葉。

今の学生は、まだこんな言葉を使っているのだろうか？


あさま山荘事件が起こったのは、キューピーが中学１年生のときだった。

学校の正門横のフジパンのテレビで、大きな鉄球が建物を破壊するシーンを

見ていたのを、鮮明に憶えている。

何日かして、学生達が「総括」と称するリンチで同志をなぶり殺し、

アジトにしていた山小屋のそばに埋めていたことが大きく報道された。

首謀者である永田洋子は稀代の悪女として、

その不細工な顔とともにキューピーの脳裏に焼きついた。


ブスは怖い。


キューピーが面食いを貫き通し、決してB専に走らなかった要因には、

このトラウマが原因となっているのかもしれない。


その後、キューピーは現役で名門３流大学F大に合格し、

新制大学になる前の師範学校の時代から続いているという、

由緒ある軟弱硬派（どっちやねん！）文科系サークルに入部させられた。

そして、そこで再び「総括」という言葉を聞いたのだ。


学期末に総括をやるから、各自心の整理をしておくように、と先輩から言い渡されたのだ。

「ソーカツ！？」あの連合赤軍のようなおぞましいリンチをやるのか！！！？？？

恐る恐る参加してわかったのは、

「総括」とは、平たく言えば「難しいことを言う反省会」なのだった。

そこで、キューピーが

「なーんだ、総括ってのは反省会のことだったんですね。」

と言うと、先輩から

「総括とは反省会ではなあい！」

と、叱られてしまった。


キューピー、この年になってもまだ違いがわからない。


映画の中で、森恒夫の言う、

「それは総括ではない。」とか、

「いったい、お前は総括ができているのか？」

という言葉に、言われた方は恐れおののき、そして戸惑い、

どう発言したら、どう行動したら総括になるのかを

必死で探し、だが見当たらず、

その他大勢にまわった方は、さも総括を知っているかのごとくに、

「貴様、総括しろーっ！」

とか言って殴りかかるのも、

そもそも、「総括」という言葉が絵空事であった証なのだ。

この世に無いものを、神社の御神体か黄門様の印籠のように振りかざして

平気で人を傷つけ死に至らしめるのだから、まさに狂気の沙汰としか言いようが無い。

森恒夫ほどの大悪人はいない。


今の学生さん達には、「反省会」と呼んでもらいたいことを切に祈るものである。



後世に残したい映画なので


☆☆☆☆☆


ええーっ！？キューピーさんって両極端！！！