先日大きなイベントがキャンセルされた。
出店できないことをみんなに連絡した。
当然だった。地震で来られなくなった出店者もいて、その他会場の設営や物販などの仕入れの部分など間に合わなくなったのだし、物理的に無理が出てきたのだ。キャンセル料を払ってでも仕方なかったのだ。
ただ、中にはそれをただの自粛と思う人もいる。
本当にそんなイベントもあるのだろう。
そしてそれが当然だと言う人もいる。
今月末、別件で祭りの話を聞いていた。今年は関わっていないので詳しいことは聞いていないけど、その祭りは開催されるのかという問い合わせがきた。
「祭りって気分じゃないでしょ」
そういわれた。
関わっていないから分からないとだけ言った。
ああ、そうなんだ。そんな風に言う人もいるんだ。と思った。
実際、私が関わる企画チームが参加する自宅ショップが来月開催決定している。
そのDMが出来上がっているのに告知しきらない。
今、できない。なんとなくそう思った。
メンバーには全員データを送った。でも誰もUPしない。タイミングを見ているんだろう。
ふと東日本大震災の時のことを思い出した。
あのときも同じことが起こった。
次々とイベントは中止になった。みんなで喪に服したようになり始めた。
一人のイベンターの社長が私に「まきちゃんどう思う?やめなきゃいかんけ?ホントにそれでいいのかな。オレなんかほかにやることあるような気がするんよね。」
と口をとんがらせながら言った。
私もずっともやもやしていた。管理しているシステムがあって、そのユーザーにどう自分は発信していけばいいのかちょうど考えていたからだった。
社長へ「私ね、やっぱり1日は1日やと思うんですよ。息子がいるでしょ。子どものその時はその瞬間しかなくて、来年じゃダメなんです。私、親として後悔しないように子どもの年齢とつきあっているんでそんなこと思うのかもしれんけど、やっぱりみんなで落ち込むんじゃなくて、日本の半分がダメージうけたらもう半分がその分巻き返してやらんといかんような気がするんです。」
私の仲良しのデザイナーの彼女も「私もそう思う。私もっと働かなきゃって、なんかしょうもないんだけどそう思ったし、経済って文字がよぎるんです」
彼女はまだ30歳始めくらいだったけどそんなことを言った。
社長は「そうだよね。やっぱりそうだわ。」
といって当時、その春一番のイベントは中止にしなかった。
私達も30人のメンバーで写真展を開いた。
写真をポストカードに加工して、売れたお金は全部義援金にした。
楽器ができるメンバーで集まってバンドを作って歌を歌った。ライブを開いて元気を出そうと歌った。
写真展はしばらく何度か開いて、まちづくりの実行部隊の人に見初められた。
地元の人を対象に3コースのツアーを作ってみんなで街の写真を撮ってお食事付きいいとこ探しの探検ツアーをやった。
その時の写真は地元の施設でスライドショーを作ってもらって流してもらった。
街の古いお店のなんでもないお菓子を、かっこよく写真に撮ってパンフレットも作った。
そんな活動を私達は被災した人達を応援するために続けた。
自分たちが恵まれていること、自分たちがどんなところにいるのかを知ってもらうために。
そしてその当時のみんなの活動からできた協力金は、今回の地震のために明日振り込まれる。
7月海の日にも私達は計画している。
前回の大地震で経験したことがある。
意味のある行動をする。
その日一日は何をしても同じように過ぎるのだから。