19.ある晴れた日 2010年03月22日 | せつない恋 晴れわたる青い空。パレットで描いたような白い雲。家のベランダには洗濯物がたくさん干されてある。 「あなた行ってらっしゃい。」エプロン姿の小夜子が夫を玄関まで見送っている。 「行ってくるよ。」今年40歳になる夫、近くの会社で働いている営業部長。 その間をくぐる様に走って出て行く小学生の息子。 「おい。危ないから気をつけろよ。」夫が叫ぶと、息子は、シューズ袋を高く上げて合図をした。その姿を一 . . . 本文を読む