BARの店内は、長いカウンターがあり、初老のマスターがグラスを拭いていた。 グラスの音がキュキュとしていた。その中をクラッシックが流れていた。モーツアルトだろうか。中学生の頃音楽の授業で聞いた事があった。
俺は、こういう場所が落ち着くなと思った。クラブという場所は、俺には合わなかった。
あれから、ミドリはどうしただろうか。あの男から変な事されていないだろうか。少し心配になっていた。
俺が考 . . . 本文を読む
外は雨。まるで僕の心の中をあらわしているかのようだった。憂鬱な気分が続いている。
彼女が浮気をしているからだ。トイレに行っている間、彼女の携帯がなって着信履歴を見たら、男の名前が出ていた。
田中タケルどこからどう見ても男の名前だ。その時は彼女に問いただす勇気もなかった。
次の日から彼女の行動が気になって仕方なかった。田中タケルいったいどこの誰だろうか。
今日は、友達と買物に行くから逢えな . . . 本文を読む
放課後。高校の運動場が見える山の上に来ていた。野球部の声がここまで届いている。僕達は、野球部の練習風景を見ていた。野球部の声が聞こえなくなると、急にせつなくなり、友達に話しを切り出した。
「好きな子がいたんだけど。」僕が静かに言って、黙っていると、友達が身を乗り出して聞いてきた。
「それでどうなったんだ?」僕達は少し黙った。野球の金属バッドのカキーンという音が響いていた。
その後、僕が「ふ . . . 本文を読む
「王様だぁれだー?」3対3のコンパで、王様ゲームをしていた。あまりにも出会いがないと知っているノブが開いてくれた。ノブは、高校の頃の同級生だった。 ジャニーズの様な顔立ちで、目がクリッとして、ノリが良い事もあり、女には結構もてているみたいだった。
私を誘ってくれたのはいいが、こんな感じの出会い方は嫌いだった。
「ハ~イ。」手を上げたのは、サトミだった。ノブの友達で、茶髪で、まつ毛が長く、アイ . . . 本文を読む