恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

13.雪合戦

2008年02月14日 | 冬の物語
 中学校の校舎が取り壊しになる事を聞きつけ4人が集まった。  私とタカシとアカネとユリだ。  それぞれ家族があり、集まるのは25年ぶりの事だった。  校庭に入ると桜並木があって、その近くにはチューリップを植えた小さな畑があったが、まだ咲いてはいなかった。  昨日から降っていた雪がうっすらとだが積もっていて、運動場に真っ白な空間が出来ていて、四人の足跡がついた。  一時の間、古びた校舎を眺めていた。 . . . 本文を読む

12.チョコレート

2008年02月09日 | 若い恋
 寒い中、悴む手をこすり合わせて橋の上で女の子が待っていた。フサフサの帽子をかぶって首にはトランプの様な柄のマフラーをしていた。手には綺麗に包装してあるチョコレートを持っていた。  誰にあげるのだろうと横を通ると女の子が笑顔で近づいてきた。  「すみません。」  「えっ。」まさか私にだとは思ってもいなかったので驚いた。  「今日バレンタインデーなのでもらってくれませんか。」  「別にいいですけど、 . . . 本文を読む

11.白い杖

2008年02月06日 | ベストストーリー
 部屋の窓から外を見ると、天気がよくて、猫が欠伸をして暖かそうだった。  おばぁさんは朝の買い物に行く準備をしていた。  その姿を見ていたら無性に外に出かけたくなった。  「私も一緒にいく。」と言うとおばぁさんは子供の様にはしゃいだ。  化粧をしてふさふさの帽子をかぶり、玄関で「はい、これ。」とか細い声で白い杖を渡された。  これがないと歩くのも億劫になった。  脳梗塞で倒れ、体の左側だけどうして . . . 本文を読む