生温かい南風が通り過ぎた。体育館の側にある咲いている桜が所々揺れている。
今日は卒業式。体育館に集まり、整列をしている卒業生90名、贈りだす在校生73名。
バーコードというあだ名を誰かがつけていた禿げた校長先生の挨拶が終わり、大ちゃんの父親がPTA会長の挨拶をしている。
後ろで膝かっくんをしてきたヨウジが話しかけてきた。
「おい。アヤが見てるぜ。」
「嘘つくなよ。」
「今日卒業式で、 . . . 本文を読む
営業先で、母親から父親が危篤と電話が入り、会社を早退し、近くの駅から電車に飛び乗った。
今日は30年ぶりの雪が降ってて、3センチほど線路の上にも積もっている。
電車の終着駅まで約2時間くらいかと時計を見る。
一時走っていると、キキッーキキッーと電車のブレーキ音が響いた。
「雪の為、急停車いたします。」電車のアナウンスがなり、ガクンと電車が止まった。
「まったく。」隣の学生服を来た男が舌 . . . 本文を読む