入道雲がもくもくとソフトクリームみたいに上がっていた。
家の近くに小学校の運動場がある。渡り廊下を抜けて、石段の階段があり、木々が生い茂っている所で、蝉を取っていた。木のおかげで日陰になり、真夏の暑さが1度ほど低く、涼しく感じた。
運動場では、ソフトボール大会の練習があっている。
ケンボーが木にとまっている蝉を見つけると、網でゆっくりとかぶせようとしたがおしっこをかけられて、逃げられた。田 . . . 本文を読む
子育てに悩み、あてもなくブラブラと子供3歳と5歳を連れて、歩いていた。
古びたバス停があり、子供は椅子に座らせた。
裏に溜め池があり、蓮の花が所々に咲いている。私はガードレールから蓮の花を見ていた。
ふとバス停の中を見ると、おばぁさんがいつの間にかいて、子供に「あんた何歳ね?」と話しかけて、飴を渡していた。
子供は私の顔を見て、もらっていいの?みたいな顔をして、私はおばぁさんにお辞儀をし . . . 本文を読む
君に会えるのは、一年に一度の祭りの日。
屋台が並び、焦げた香りが周りを包んでいる。中にある神社の鳥居前での待ち合わせ。
君は先に来て、立っていた。髪は長くて、白色と水色の模様が入った浴衣を着ている。どこからか祭囃子の音色が聞こえてくると、君はそれに合わせるかのように鼻歌を歌った。
屋台の前を一緒に通り、綿あめを買ってあげると喜んだ。
山を少し登ったところにお参りするところがある。君は、手 . . . 本文を読む
花火の賑やかさも落ち着き、屋台の人たちも暖簾を下ろしたり、後片付けをしている。
生暖かい風が吹いて、祭りのあとって、いつも切なくなってしまう。
ヨウコを探していると、サトルを見失ってしまった。
それにしても人が多すぎである。
駅の方に歩いていると、浴衣を着ている女の子二人いた。一人は、祭と書いてある団扇を帯にさしている。
後姿がヨウコに似ている。走って前に見に行く。
「おー。ヨウコじ . . . 本文を読む
祭り会場に着いたのはいいが、人が多くて、ヨシオと途中ではぐれてしまった。
先にヨウコを探しているのかもしれない。
【ここから先祭り会場入り口】という看板を通り、中に入ると、当たりくじや焼きそばなど屋台がずらっと並んでいて、プーンとたこ焼きのソースの焦げた匂いがしてきた。
ドーンドーンと海に近い奥の方で、花火が上がっている。
真下で見る花火は、迫力があり、綺麗だった。
ボーと夜空に咲く花 . . . 本文を読む
ヨシオとサトルは、夏休みという事もあり、市民プールに来ていた。
太陽がメラメラと照らす炎天下の中、子供用プールを出たヨシオが「隣に行こうぜ!!」と言って、プールサイドを小走りに走り出した。子供用のプールは、小さいので、飛び込むときすぐ足がついて面白くなかった。
隣に行く時、タイルが熱くなってて、二人とも「アチッアチッ。」と言っている。
先に大人用のプールにヨシオが飛び込むと気持ちよさそうに . . . 本文を読む
ジャラジャラジャラジャラ。麻雀牌を混ぜる音が部屋中響いている。
ケンジとツナヨシとカズと私で、麻雀をしていた。
銀色の灰皿が潰れたタバコでいっぱいになり、ツナヨシが缶コーヒーの缶に吸った煙草を押しつぶすように入れた。周りは、煙で充満していた。
くわえたばこで、「ポン」とケンジが叫んだ。その後、隣に座っていたツナヨシがリーチ一発とつぶやいた。
「やられたー。」ケンジがリーチ棒を横で投げるよ . . . 本文を読む
お盆が終わり、海にクラゲが出る頃、さゆりは彼氏と別れた。
毎年この季節が来ると必ず別れ話が出てくる。
きっと夏の終わりは、恋も終わっていくのだろう。
友達のエリと気晴らしに海にやってきた。
澄んだ空、これでもかと照らす太陽、遠くではヨットが浮かんでいる。
「あんな茶髪の彼氏と別れて正解だよ。」エリが海の中から出てきて、砂浜へと歩いて思い出すように言った。エリの白色のビキニが憎いくらいに似合っている . . . 本文を読む
海よ。空よ。太陽よ。
周りには、水着を着たギャルがウヨウヨいる。
右には、青色の水着。左には、白色の水着。
ビキニも食い込み、腰をクネクネねじらせて、男心を惑わせる。
夏は男も女も開放的だ。
照りつける太陽の下で、ダンスをしている君の姿に見とれていた。
小さなラジオデッキを砂浜に置き、水着を着ているようだが、デニムのホットパンツを履いて、リズムの良い音楽に合わせてセクシーな踊りを披露 . . . 本文を読む
照つける太陽。モクモクと上がる入道雲。
額から流れ落ちる大量の汗。
古びた駅のホームで仕事帰り電車を待っていた。
派遣社員という立場はどうもシックリ来ない。
机に向かい、ひたすら書類作成。コピーをとり、専務、常務の機嫌取りをして、何が楽しいのだろうか。
前の会社でリストラになる前はよかった。
仕事も順調で、何もかもが輝いていた。不景気、経済後退。総理大臣何をやっているのか。もうウンザ . . . 本文を読む
君は私の事を覚えているだろうか。
あの夏の日、君はキャップをかぶって、道を歩いていた。
私は夏の光と君の歩いている姿を好きになってしまった。要するに一目惚れと言うわけだ。
今になって思い出してしまう事がおかしいと思う。この暑さのせいで頭が狂ったのだろう。
街を歩いていると、ショーウィンドゥに君が眩しそうに太陽を見ている姿がある。私が横を通りすぎると、君はいつの間にかいなくなっている。
. . . 本文を読む
君と逢えるのはいつも夢花火。
誰もいない静かな海。その上を舞う花火。
パーと咲いて、散っていく。一つずつがまるで僕の恋みたいだ。
君はピンクの爽快な浴衣を着て、綺麗な夜空を見ている。花火の光で時々君の首筋と横顔が見える。
僕は横顔が好きだ。
ずっと見ていても飽きない。花火なんかよりも君のその姿が何よりも美しい。
もうすぐ目が覚める。
君と逢えるのは、一時の時間。
夢の中だけ。
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テレビから流れて来る甲子園の中継。スーツを着て汗を拭うサラリーマン。
定食屋でカキ氷を作るおばちゃん。
カキ氷を食べながら野球の話しをする電気工事のおじさん三人。
道路でユラユラと揺れる蜃気楼。
白いキャミソールを着た日傘を差した美しい女性。
澄んだ空ではもくもくとあがる入道雲。
木の並木道で告白をしている学生。
「好きです。」揺れる乙女心。
「ごめんなさい。」玉砕され佇む男子高 . . . 本文を読む
青い空。広い海。どこまで続いているのだろう。私はこのまま永遠に夏を過ごしていたい。
大きな海を見ていると入道雲がモクモクと襲いかかって来そうなくらい大きく広がっていた。
サトシとミノルと夏という事で海に泳ぎに来ていた。子供がたくさん泳いでいて、中には若い女の子も泳いでいた。
サトシとミノルは、その辺のビキニギャルをナンパしていることだろう。
私は、ボンヤリと海を眺めていた。
どうして光 . . . 本文を読む
夏という事で友達4人で花火をしていた。タカシとカオルとユリだ。それぞれ就職で遠くに行っていたが、夏休みという事で仲がいい友達が集まったのだ。
私はユリの事が中学の頃からずっと好きだった。こうやってタカシが集めてくれたので私はとてもうれしかった。
それぞれ持ってくる物の担当が決まっていた。
タカシとカオルが花火を買って来て、ユリが線香とマッチで私が火を消すバケツを持って来るという事だった。
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