蝉の声も徐々に衰え始め、冷たい風が朝夕吹いている。その風に誘われ窓の外に吊り下がっている風鈴が居心地いい音を鳴らしていた。
高校に入ってからのヨシコは、見るもの全部違ってグレていた。タバコを吸うようになったし、髪も茶色に染めた。
母親が癌で死んでからというもの荒れてしかたなかった。どうしたものかと頭を叩いてもどうにもならなかった。
私が母親代わりの様に女の人を家に連れて来るのも気に入らない . . . 本文を読む
青い空。広い海。どこまで続いているのだろう。私はこのまま永遠に夏を過ごしていたい。
大きな海を見ていると入道雲がモクモクと襲いかかって来そうなくらい大きく広がっていた。
サトシとミノルと夏という事で海に泳ぎに来ていた。子供がたくさん泳いでいて、中には若い女の子も泳いでいた。
サトシとミノルは、その辺のビキニギャルをナンパしていることだろう。
私は、ボンヤリと海を眺めていた。
どうして光 . . . 本文を読む
祖父が亡くなって随分と時間が経った。
お盆でお墓参りに来ていた。近くの畑をトンボの群れが水を探して飛んでいた。大きな木の間からは、ワシワシと蝉の鳴き声もしていた。二つのミスマッチな組み合わせに、お盆の寂しい雰囲気が伝わって来る。
祖父のお墓に手を合わせると、祖父の元気な姿を思い出す。
それと祖父の机の中からラブレターが出てきたのを思い出した。
内容は「ひさえ愛している。君の事を忘れた時は . . . 本文を読む