BARの店内は、長いカウンターがあり、初老のマスターがグラスを拭いていた。 グラスの音がキュキュとしていた。その中をクラッシックが流れていた。モーツアルトだろうか。中学生の頃音楽の授業で聞いた事があった。
俺は、こういう場所が落ち着くなと思った。クラブという場所は、俺には合わなかった。
あれから、ミドリはどうしただろうか。あの男から変な事されていないだろうか。少し心配になっていた。
俺が考 . . . 本文を読む
車の中で、ミドリがどういう生活を送っているのか聞いた。ミドリは大学生で、バイトをしながら通っているという話しだった。
40分くらい話していると、明りがボンヤリついているクラブの前に着いた。このクラブには、友達とよく踊りに来ると言っていた。
俺は車を駐車場らしいジャリ道に止めて、ミドリと店に入る事にした。
だぼっとしたパンツを履いて、バンダナをはめている愛想いい男がドアの前に立っていて、金を . . . 本文を読む
カフェの近くにあるパチンコ屋で、約三万円勝った。
77番台の数字とナンパに成功した女神がついているって事か。
これはミドリとのデート代にしよう。
今日は、何から何までついているようだ。もうそろそろ夜の十時になる。ミドリは仕事が終わったのだろうか。
家に置いてある車を取りに行った。中古で買った古い軽自動車だ。ワイパーが壊れた時に限って雨が降る。
今日は、晴天なのですんなりワイパーが動いて . . . 本文を読む
ノリコは、エリートのヨウジに連れられて、赤いスポーツカーでカフェを出ると、夜景が見えるレストランに来ていた。
ビルの七階にあるそのレストランは、ジャズの生演奏があっていた。店の従業員も鮮麗された人ばかりだった。
私にぴったりの場所。私の様な女が来る所のような気がした。音楽に耳をすましていると、目の前のヨウジが話しかけて来た。
「結構いい店だろ。友達が経営している店なんだ。」
「あら。そう . . . 本文を読む
カフェの店内は、若い男女で溢れていた。見つめ合っている男女。雑誌を見ている男女。会話を弾ませている男女。
どうやらここは恋人達しか来たら駄目な所らしい。だが、俺は気にせずに競馬新聞を広げて、お気に入りのジッポで、タバコにカチッと火をつけた。
一服吸うと、煙を吐き出した。煙はモクモクと室内の換気口へとゆっくりと吸い込まれていた。
煙の気配を感じながら、目を凝らして競馬の予想をしていた。
競 . . . 本文を読む