シトシトと降る雨の中、ランドセルをからった男の子と女の子が、水溜まりでしゃがんで、捨てられた白い子犬に話しかけていた。男の子が自分の傘を雨に濡れないように子犬の方にかざしている。女の子は、男の子が濡れないように傘をかざしていた。その姿を見た近くのオジサンが更に大きな傘で二人を包んでいる。
小さな窓ガラスから外を見ていると雨が降っている。
彼女の部屋に来ているが、彼女は少しだけ機嫌が悪 . . . 本文を読む
いつものように郵便局の前で待ち合わせをしていると、彼女が来た。
彼女が現れると雲行きが悪くなり、必ず雨が降る。今も晴れていたのだが、来た途端に小雨が降ってきた。梅雨前線にとりつかれているに違いない。
彼女は、そのせいで傘を常に持っている。彼女にとっては秘術品だ。
今日は、虹色の傘を広げて悲しそうに笑った。
「今日晴れだと天気予報で言ってたんだけどね。」
「ま、しょ~がないんじゃないかな . . . 本文を読む