ニコンにとって、一眼レフのFシリーズ、そして現在のデジタル一眼のDシリーズは、特別な意味を持つ名称である。かつて一眼レフがまだ一般的でなく、ライカやコンタックスのようなレンジファインダー機が全盛だった時代、ニコンのレンジファインダー機は、Sの名を冠していた。
約半世紀の時を越えて、今でもSシリーズは50万円以上の高値で復刻されたりしており、その精緻な機構は、いまだに高い評価を得ている。
COOLPIXといえばニコンのコンシューマデジタルカメラだが、それにもSシリーズというものがある。Nikon S2と言えば、どうしても郷愁を感じる響きなのだが、現代のSは全くそれとは関係のない、ただのデジタルカメラである。
しかしニコンはどこまでもニコンらしく、露出に正確でマクロに強い、いいデジタルカメラを世に送りだしている。とくにS2は生活実用防水を備えており、しかも薄型・小型なので、ポケットに入れて毎日持ち歩くのに適している。