
今年の目標、というわけではないが、銀塩とデジタルのコラボレーションを、目下楽しんでいる。ここ数年フィルムから離れ、デジタル一辺倒でどっぷりと浸かってきたこの身には、フィルムを開封したときの乳剤の臭いすら懐かしいという現状だ。いざ撮影してみて、液晶モニタがないことに違和感を覚えるほどのていたらく!とかなんとか、致し方のないことを感じてしまう(笑)。
しかしこれだけデジタルカメラを経験し、ブログなども少々かじってしまうと、とてもではないが、フィルムを現像して待っている時間が惜しい。デジタルの即時性は、もはや右に出るものはないのだ。
ただ、言い尽くされてきたことだが、フィルムにはフィルムの独自のものがある。ポジフィルムのひたすら抜けの良い明るい発色などは、ルーペで拡大してみれば鳥肌が立つほど美しい。またモノクロの濃淡の美しさは、これまた別世界へ誘ってくれる。多少の面倒さはあれ、フィルム文化を捨て去るのはあまりにも勿体なく、この楽しさを忘れてしまった人々にも、ぜひもう一度、体験してほしいと願う。
京都での撮影の際、メインカメラはニコンF2アイレベルと、ニコンクールピクスP5000を用いた。1970年代のメカニカルカメラの王者と、最新のデジカメのコラボレーションは、意外にハマル、組み合わせであった。コンパクトデジカメを露出計代わりにして、勘でF2の設定を変えてみたが、幸いなことに、露出を外すことはリバーサルでもあまりなかった。
ニコンF2までいくと極端だが、銀塩一眼レフは、目下のところ非常に安価に手に入る。とくにマニュアルフォーカスでなく、まだ新しい時代のオートフォーカス一眼レフなどは、レンズと込みでも2-3万円でも良い状態のものに出会うことが少なくない。このあたりのカメラになると、私にとって認識不足の部分も少なからずあったので、もう少しその歴史なども自分なりに今後調べてみたい。
前置きが長くなったが、今回のフィルムはコダックのTmaxである。ISO400で、昔メインで使用していた、Try-Xを思い出しながら撮影した。モノクロフィルムの現像は時間がかかり、かつて自分で現像していた頃を思うと、いらだたしいくらいdが、需要の少なさを思えば、致し方ないのであろう。
京都で以前撮影したときに、今回と同じ場所の、カラーバージョン(デジカメのP5000の分)はすでにアップしたが、今回はそれのモノクロフィルムバージョンだ。レンズは28mmで、広角寄りになっているので、それも趣が異なる要因になっているが、違いを如実に感じてしまう。デジタルにはそれ独自の良さがあり、よくぞここまで、と思わせる部分がある。かたやモノクロフィルムは写真の原点であり、機材はまさに、1970年代となんら変わらないものなのだが、銀塩文化の奥深さを感じさせるものになっていると思うのだが、いかがだろうか?