幸福実現党・神武副党首が講演 信仰国家になりつつあるロシア
2017.01.21(liverty web)
講演する神武副党首。
幸福実現党の神武桜子副党首(兼)広報本部長が21日、ユートピア活動推進館(東京・赤坂)において、「『日ロ国交回復60周年フォーラム』から見える日露戦略」と題した講演を行った(主催:幸福実現党出版局)。
昨年12月22日、ロシアのモスクワ国際関係大学で開催された「日露国交60周年フォーラム」で、宗教法人・幸福の科学の武川一広・国際広報局長と神武副党首がスピーチを行っている。今回の講演は、その報告会として開催された。
「日本人らしくなくて面白い」
神武氏は、2人のスピーチに対するロシア側からの反応を紹介した。武川氏が「ロシアの経済制裁に日本が参加したのは良くなかった」としつつ、「ロシアは欧米からの経済制裁を受けているが、憎しみで憎しみを返してはいけない。聖書にもそのように書かれている」とスピーチすると、ロシアの参加者は皆うなずいており、(親指を立てて)「グッド」とサインする人もいたという。
また、神武氏は、「伊勢志摩サミットで日本がホストになるなら、ロシアのG8復帰のきっかけにすべきだった」「ロシアと日本を新幹線でつなぎ、大物流革命を起こすこともできる」とスピーチ。休憩時間にロシア人出席者から、「そんなことを考えている日本人がいるとは面白い」などと声をかけられたという。
日本が信頼できないのは……
ロシア側からは、日本政府に対する厳しい言葉が目立ったという。
神武氏は、元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏が、「安倍政権下での平和条約締結はできない。信頼できないからだ」などと発言したことを紹介。また、モスクワ国際関係大学のドミートリー・ストレリツォフ教授は「自民党による排他的統治」というタイトルで研究発表し、「自民党は選挙システムを自分の都合の良いように変えている」「日本の選挙は、候補者や政策ではなく、党のイメージで投票するようになっている」と指摘したという。
これを踏まえ、神武氏は講演で「国内の党がイメージを良くしようとするあまり、対外的な交渉にも影響が出ている。政策ベースでの交渉が進まないのも、信頼を失っている原因ではないか」と分析した。
信仰国家に生まれ変わるロシア
ロシアを訪問する中で神武氏は、「ロシアは宗教的な国に生まれ変わろうとしている」と強い印象を受けたと語った。
ロシアは、「スラブ民族の指導者であるウラジーミル大公が、現在のウクライナにあたるキエフ公国の国教をキリスト教と定めたこと」を建国としている。昨年11月には、大統領府の近くにウラジーミル大公の像が建設された。プーチン大統領は除幕式で「ロシア国家の精神的な基盤を築いた偉人」であると発言した。
神武副党首は「日本人は、ロシアに対しては『ソ連』や『共産党』『唯物論』といった怖いイメージがあるかもしれない。しかし実際には、ロシアはマルクス主義を捨て去っていて、ロシア正教の復活が進んでいることを理解すべき」と指摘。「ロシア正教を抜きにしては、ロシアの歴史も、未来も語れない」とした。
日ロ関係の未来をひらくために
質疑応答では、「アメリカについてロシア人がどう思っているか」という質問に対し、神武氏は「ロシアではゴルバチョフ氏の人気がとにかくない。口だけいいことを言って大国を滅ぼし、めちゃくちゃにしたと思われている。ロシア人は、オバマ氏がゴルバチョフに似ていると思っている」と、オバマ路線の転換を目指すトランプ大統領への期待が高まっているとした。
これまでロシアを仮想敵国としてきたアメリカだが、トランプ新大統領は中国を危険視し、包囲網を築こうとしている。日ロ関係の改善は、中国包囲網にロシアを引き入れるためにも極めて重要だ。そのためも、日本は本当のロシアを理解するとともに、日本が国家としての精神的主柱を立て、主体的な意思決定ができるようになる必要がある、と考えさせられる。
(河本晴恵)
【関連書籍】
幸福の科学出版『ロシアの本音 プーチン大統領守護霊 vs.大川裕太』大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1788
【関連記事】
2016年12月22日付本欄 幸福実現党の神武副党首がロシアで開かれた「日露国交回復60周年フォーラム」でスピーチ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12384
2016年12月23日付本欄 元駐日ロシア大使が発言 「安倍政権下での平和条約締結は難しい」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12388