‎ハードな毎日を送るビジネスパーソンの中には疲れが抜けない人も多いはず。 そんな中、良いコンディションで働き続けられる人は、ひそかに「疲れにくい体」をつくる努力を続けている。 体づくりのプロフェッショナルにその秘訣を聞いた(2015年6月号 記事より再掲。 内容や肩書きなどは当時のもの)。‎

 

◆ ◆ ◆

 

小林一行

‎(こばやし・いっこう)1965年、栃木県生まれ。 ITエンジニアとして勤めながら、ダイエットのセミナーや個人コンサルティングなど幅広い活動を展開している。 著書に『なぜ一流の男の腹は出ていないのか?』 (かんき出版)『できる男の腹凹(はらぺこ)術』(宝島社)など。‎

‎今でこそ私は体づくりについてアドバイスする立場にいますが、10年ほど前は、80キロを超える「メタボ」体型でした。 管理職になり、上司のプレッシャーが強まったことが原因です。‎

 

‎上司は自分が先頭に立ち、部下に命令する典型的な古いタイプのリーダー。 人に指示するのが不得意な私とは真逆のタイプです。 私は上司の求めるリーダーになれず、自信を失い、うつ病になってしまいました。‎

 

‎また、過食症も併発。 「自分なんて生きている価値がないダメ人間だ」と本気で思っていたので、栄養バランスなど考えませんでした。 太った上に、アレルギー体質になり、気管支炎にもかかるなど、体はボロボロになりました。‎

 

 

ストレスは体づくりの敵

‎そんな私の転機は、好きな作家のセミナーがきっかけで「自分の個性を認めよう」と考えるようになったことです。 そして上司のようになれない自分を受け入れ、部下の力を引き出しながら組織を発展させようと決意しました。 すると、コンプレックスが気にならなくなり、ストレスを感じにくくなりました。‎

 

‎心も安定し、間食も減り、2年で25キロの減量に成功。 風邪も引きにくくなって、前より疲れにくくなりました。 仕事の成績も徐々に上がり、自信を取り戻しました。‎

 

‎こうした経験から、ストレスが体づくりの最大の敵であると学びました。 現在、私はセミナーや執筆活動などで以前よりハードな日々を送っていますが、元気で取り組めています。 やらされている仕事なら、心の病気になってしまうでしょう。 本当にやりたいことだからこそ、ストレスを感じずに続けられたのです。‎

 

 

成果ではなく行動に注目しできたら自分をほめる

また、ダイエットをする時に他の人からいろいろなアドバイスを受けたとしても、自分に合わない努力は続きません。

 

‎体づくりの挫折を防ぐ大切な心構えは、まずはほんの少しの努力から始めるということです。 成果を早く求めてはいけません。‎

 

‎例えば副菜を1品増やす、1日10分歩くなどでもよいので、生活の一部に健康習慣を取り入れることです。 そして、成果ではなく行動、つまり習慣を変えることに注目し、できたら自分をほめること。 ちょっとした努力の習慣が、長期的には確実に体を変えていくのです。‎

 

‎習慣づくりを支えるカギになるものは動機です。 私の場合、ダイエットという切り口で「多くの人の役に立ちたい」という使命感が動機になっています。 「一生」というスパンで成果を出すために、今の自分にできることを積み重ねていくことが大事だと考えています。 (談)‎

 

【関連記事】

2015年6月号 コツコツ働き続けるための疲れにくい体をつくる!

https://the-liberty.com/article/9515/