中国の生成AI「DeepSeek-R1」ショックは"誇大宣伝"か【澁谷司──中国包囲網の現在地】
2025.03.10(liverty web)
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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
1月下旬、中国の新興企業DeepSeek(深尋)が開発した生成AI(人工知能)「DeepSeek-R1」が出現した。杭州に本社を置くDeepSeekは、2つの画期的なAIモデル、V3大規模言語モデルとR1推論モデルをリリースし、世界に衝撃を与えた。
中国政府はAIにおける革新と躍進を祝っている。中国人民の間では強い「中国ナショナリズム」を引き起こした。
その性能は誇大宣伝か
一方、近年、一人勝ちの様相を見せていた米エヌビディアだが、その株価が大暴落した。一時、同社の株価が1株135米ドル(約2万250円)から120米ドル(約1万8000円)へと約2250円も急落したのである。
「DeepSeek-R1」は低コストで開発されたにもかかわらず、OpenAIの「ChatGPT」に並ぶ高い性能を持つと言われる。
しかし、秘密主義をモットーとする中国企業が開発した中国製品には常に"謎"がつきまとう。また、中国共産党による"誇大宣伝"に世界が踊らされるケースもある。
例えば、2023年、ファーウェイが開発したスマホ「Mate 60 pro」が発売された。プロセッサーは(7ナノメートルのチップを使用した)「Kirin 9000S」を搭載していた(*1)。このプロセッサー(処理装置)は中国・中芯国際集成電路製造(SMIC)が作成した中国製だと判明している。
しかし、「Kirin 9000S」を搭載した「ファーウェイMate 60 pro」は、宣伝されているほどの"高性能ではない"事がすぐに知れ渡るようになった。
「DeepSeek-R1」はどうか。やはり「ファーウェイMate 60 pro」の場合と酷似しているのだろうか。
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