本来ビバーくはお勧めするものではなく、技量の無さを
露呈するものです。
そういう訳で決してお勧めするわけでも自慢とかの意味も
ありませんので、ご容赦ください。
50歳越えてから、山登り始めた身としては、元々無理やり頑張って
山頂めざす気はありませんでしたが、いろいろビバークの経験は
すべて楽しい思い出です。
多分最初のビバークは、奥多摩の山中と思います。
人の気配は一切なく、獣が寄ってきたらどうしようかと思うとともに
幽霊とか物の怪とか一人テントで過ごすのは怖かったと思っています。
一旦経験すると、余裕が出来て危ない時にはビバークする基本が
出来ました。
1.時間
午後3時を過ぎ次の目的地に到着する目論見が外れた場合。
滞留場所を探しながら、先に進み、安全な場所を確保。
当然、水・食料・防寒等は事前にしっかり確保。
(登山地図等で水場確認も必須)
2.天候急変等による対処
稜線での強風、落雷、豪雨等々、山では恐ろしいことが一杯ある。
引き返せない事態の時は、どうするか事前に想定することが
一番いいが、南アルプスで死ぬ思いした時はもう必死で
ただひたすら歩いて、小屋に到着しても思考が停止していた
経験がある。
まあ那須岳で亡くなられた方、はっきりいって無謀です。
強風のなか何とか下った経験もありますが、しっかりアドバイス
受けて、慎重な行動をお願いします。
3.冬季及び秋季の登山についての注意。
秋季は落ち葉で登山道が分からなくなる。
冬は当然積雪で道はかき消され、体力も消耗する。
私には、鬼門がある。奥多摩で何度も行先が分からなくて
引き返して、秋に自分だけの印をつけて何年も挑戦
したこともある。
はっきりいって、危ないところではひきかえしたほうがいい。
どこからでもわかる所で荷物をおいて先をさぐるのもいい。
思い込みで強引にいくのが一番悪い。
中には出会った登山者の迷いに巻き込まれることもある。
結局自分で、判断し自身を守るしかない。
一番の思い出
奥多摩で、三条の湯小屋から将監小屋へ行こうとしたこと
がありました。
多分2月頃で前日雪が降っていてまあ自分の技量では半分
無理とは思っていたので、小屋の旦那に状況聞いたら
あっさり問題ないとの話。まあ30センチの積雪程度で
めげていたら小屋の方対処できないでしょう。
飛竜山めざし登山道歩き、稜線になんどかたどり着いて
先をみたら、夏道は雪に覆われ山頂経由での道を
アタックするしかない状況。
あっさりあきらめ、風を避けるポイントにテントはり
風の音を聴きながら一晩過ごす。
この夜が一番楽しかった。
誰もいない世界で、風にテントが揺れながらなんて素晴らしい
夜を過ごしているんだろうと思っていた。
次の日は雲取山へ向かい、一杯怖い思いをしながら縦走し
(道迷いもあり)その後の記憶はほとんど薄れているが
あの強風での一夜は、最高であった。
上高地 小梨平で厳冬期テント泊したこともあるが
山歩きでは一番楽しい思い出である。