6月27日は、朝日カルチャーセンターの現地講座で大阪淀屋橋にある大阪倶楽部会館を見学しました。
会員の方のみが立ち入る事の出来る施設で、これまで見学の機会がありませんでした。
大阪が世界有数の都市となった大大阪時代へ向かう中、大正13年(1924)に大阪倶楽部は竣工しています。
大阪の財界人は「知の交流と心のふれあいの場」にふさわしい社交クラブの建物にこだわりました。
設計は片岡建築事務所の新進気鋭の建築家の安井武雄でした。
この大阪倶楽部会館は鉄筋コンクリート造り、近く一階、地上四階建てで、正面に五連のアーチを配置した南欧風の様式です。
アーチのわきにはトーチポール風の石柱の装飾には東洋風の手法が用いられています。
独自の様式を創造した「自由主義」へと繋がる武井の代表作のひとつです。
大阪倶楽部会館は大正3年(1914)に竣工した旧会館がありましたが、火災のために焼失しています。
大阪財界人の再建への強い思いから、焼失後わすが22ヶ月で再建されています。
設計者の安井武雄はクライアントからの要望を細かく聞き取りベストな設計に生かしたそうです。
大阪財界人からは社交場として居心地がいい建築の要望が強かったそうです。
築100年を超える建物で日頃のメンテナンスが欠かせないです。
最初は独自の意匠が施された窓枠だと思っていましたが、当時から建設に携わってきた大林組が2017年に開発した「静かに、早く、高品質」をうたう新工法による壁の耐震補強工事が行われています。
耐震対策には全く見えないです。
館内の図書館には約4千冊の蔵書、食堂、ホール、ゴルフ練習場が完備され、会員の方の憩いの場となっています。
館内ツアーを終え、倶楽部レストランによる特別コース料理を頂きました。
メインはビーフカツレツでした。
舌の肥えた会員さんを満足させるだけの内容で、非常に充実した内容と美味しさでした。
現在の会員数は約1130名、その内役820名が個人メンバーだそうです。
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