潮音院のある地域には、いくつかの講中がありまして、
その講中ごとに毎春「牛供養」という行事が催されます。
小さな単位の生産組合が主催する「五穀豊穣」のお祀りです。
この牛供養碑には、大日如来の梵字が刻まれ、
りっぱな牛の上に大日如来さまが乗っている様子のレリーフが彫られています。
田んぼや畑の農作業に、牛や馬は絶対に欠かせない労働力でした。
堆肥もそうです。
しかし農耕も機械化され、酪農や食肉牛以外の目的で牛を持つ農家はほとんどありません。
それでも、長い農耕の歴史の中でがんばって人間を支えてくれた牛馬に感謝をささげ、
そして、この年の豊年満作と風雨順次を願い続けています。
これが、牛供養といわれる行事です。
祭典がおわると、碑の下にシートを敷いてみんなで一献やります。
それぞれに食べ物を持ち寄って楽しく集います。
お刺身以外はすべてが自前のおごちそう。
春の山菜も山盛り持ってありました。タラの芽、ウド、柿の葉、・・・。
そのほかおでんや・・・ともかくいろいろそろってます。
それに飲み物には不自由しない様子でした。
特に目に付いたのがこれ。
「どっぺんどろり」という名前の麦焼酎。
どっぺんどろり という言葉は、このあたりでは、
べろんべろんに飲み過ぎる事を表現する言葉です。
福岡県久留米市の酒造会社でした。
男衆はみんなこの響きが気に入って、
ガンガンやってる様子。
今頃は、どっぺんどろり でしょう、きっと。(笑