こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

自分が救われる為の、解放される為に大切な修行なんです

2013年07月04日 | 仏教

人間に口が一つなのに、耳が二つあるのは、自分が話す倍だけ他人の話を聞けということ。 (ユダヤの格言)

なるほど、わかりやすい格言ですね。
仏様の耳も、多くの人々の悩み苦しみを聞き入れるために、大きくふくよかな耳をしてらっしゃいます。人の話を多く聞きなさいという教訓は、言い換えれば、自分の主張はそこそこにしておいて、その人の気持ちを理解しなさい、察しなさい、思いを深めなさい、イメージを深めなさい、ってことだと思います。

仏教の修行にある「利他行リタギョウ」の中に、「 同時ドウジ」ってのがありまして、
他人の立場に立って、その人の気持ちと同じ位置に立って物事を考え、そして行動をする、という修行です。このユダヤの格言は、まさにこの仏教の修行だと思いました。

自分の事ばかり主張したり、相手の気持ちを理解しようと努力をしない習慣のままでいると、人の心はどんどん離れていきますし、ややもすれば、ひどいしっぺ返しがあるやも知れません。人の気持ちに耳を傾けることは、結局は自分が救われる為の、解放される為に大切な修行なんです。

                                                        合掌


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