このは紅葉のお絵かき日記

トランプ大統領・たつき監督・irodoriの味方だよ

#1058 記憶だけで描くらくがき

2010年02月12日 | 鉛筆
鉛筆らくがきです…
いつもの貝殻を見ないで思い出して描いてみました。
貝殻を最後に見たのが前回ペンで描いた9日前のことですが、これまでにたくさん描いてきたので、一応の雰囲気は思い出せます。
形は実物と全然違いますが、見て描いても実物どおりには描けるわけではないので許容誤差の範囲でしょう…たぶん…

わざわざ「記憶だけで描くらくがき」などと銘打ってますが、よく考えてみたら、わたしのらくがきはほとんどそうでした。最近は写生らくがきも多いですけれど、子どもの頃はすべて記憶と想像だけで描くらくがきでした。

いつも何かをじっと見ている子どもでした。
蟻の巣など何時間見ても飽きないほど。
汽車に乗れば車窓の風景を見ていて飽きることがありません。子どもが乗り物に長時間乗って飽きて騒ぎ出すなど、わたしには信じられないことでした。
図鑑も好きで、動物図鑑などを穴の開くほど見ましたけれど、わたしの空想の世界では多くの野生動物が生き生きと動き回っていました。
何でも黙ってみているのが好きでした。
絵を描くためとか何か目的があって見るのではなく、ただぼーっと見ているのが好きだったんです。

らくがきももちろん好きで、何時間していても飽きないほどでしたが、物を見ることと、物を描くことは同時には出来ませんでした。いわゆる写生が出来ませんでした。
小学校の写生の授業でも、先生は「よく見ながら描きましょう」などと言いますが、わたしは何も描かずにひたすら見て記憶し、見終わったらひたすら描く方式で通しました。

最近は貝殻や落花生などご覧いただいている通り、写生して描くことも出来るようになりました。しかし、記憶だけで描く方は衰えているようです。これは進歩なのでしょうか退化なのでしょうか?

「夢日記」はほとんど夢に見た記憶だけで描いてますが、一部資料に頼る部分もあります。
たとえば、『ガラパゴスの怪』に出てきたこれ。

夢の中で見た物なのに、これが何なのか知りませんでした。
調べてみて「エンジンテレグラフ」と呼ばれる物であると初めて知りました。
きっと映画か何かで見た映像が記憶のどこかに残っていたのでしょうね。

風景も、特定の場所を描く以外は、想像だけで描いています。
そういえば、子どもの頃に遊んだ中には風景を描く「らくがき遊び」もありました。
次回は風景のらくがき遊びをご紹介しましょうか。
いや興味ない?

#1057 文房具らくがき

2010年02月11日 | 鉛筆
昔のらくがきを見ていて、当時のらくがき遊びを思い出したのでやってみました。
友だちとふたりで「文房具」とかテーマを決めたら、何も見ないで記憶だけで描きます。
競争ではなくて、らくがきをより楽しむための工夫でした。

「文房具」をテーマに30分くらいでなんとか描いてみました。
子どもの頃ほどは描けませんが、今でも十分に楽しめました。

具体的な文房具がわかればすぐに姿が思い浮かんで描けるのに、そもそも文房具にどんな物があったかを思い出すのが大変でした。老化現象かな…

#1056 大昔のボールペンらくがき(3)

2010年02月11日 | ボールペン
昔は何でも描いていたものです。

昭和的な物に時代の流れを感じます。

らくがきは、いくらでも描けたという幸せな時代だったでしょう。

次々描き続けても湧き出る泉に限りがありませんでした。

蜘蛛は大の苦手です。

苦手な物も例外なくらくがきの対象に。

何か見ながら、あるいは考えながら描いたということはなくて、次から次と思いつくままに描き続けられました。

しかし、昔のらくがきを見て懐かしがっているのはわたしだけで、みなさんにはあまり興味は無いことでしょう。

昔のらくがきを貼るのはこの辺でお終いにします。

#1055 大昔のボールペンらくがき(2)

2010年02月11日 | ボールペン
らくがきというのは遊びですから、描いている最中が楽しければ良いものだと思っています。

昔のらくがきを見て思うのは、今よりずっとらくがきを楽しめていたかなということです。

それでも、今は今できる範囲で楽しめば良いので、昔のことと比べてうらやましがっても意味がないような気もします。

昔のらくがきはその当時にしか描けないけれど、今のらくがきもまた今しか描けないものです。

どのらくがきも、良くも悪くも、その時にしか描けないらくがきなのですね。

#1054 大昔のボールペンらくがき

2010年02月11日 | ボールペン
かなり昔のボールペンらくがきが出てきたので載せてみます。

わたしのボールペンでらくがきは、小学3年か4年生の頃に、道ばたでボールペンを拾ったことに由来します。

それまで、ボールペンなど触ったこともありませんでしたから、うれしくて毎日ボールペンでらくがきしました。

毎日たくさん描いていたのですぐにインクが無くなってしまいました。

しかし、またボールペンを欲しいとは思いませんでした。

ボールペンがあるからボールペンでらくがきしただけで、無ければ別のあるものでらくがきするだけです。あまり欲のない子どもでした。
「欲しがりません勝つまでは」の標語など、必要ありませんでした。

#1053 シルフ

2010年02月07日 | ふつうの日記
寒むすぎて絵が描けないので、4年前の絵でも貼ってみます…
シルフさんは風の妖精です。

今朝、変わった夢を見ました。
この夢の話も絵に描こうかと思ったのですが、連載を中断している『ガラパゴスの怪』と『古本屋騒動記』を終わってからの方が良かろうと…

奮起して明日からまた『ガラパゴスの怪』を再開しようと思っていますが、これからの展開が過激なので、このブログに載せるのを躊躇しているところです。
特設ページを作って、ご覧になりたい方だけ見られるようにした方が良いかな?
そもそも、もう誰も続きを望んでいないという可能性もありますが…

#1051 落花生

2010年02月05日 | くだもの・野菜
水彩らくがきです…

節分の豆まきは、北海道では落花生を使うのが一般的です。
…というか、子どもの頃から落花生で豆まきするのが当たり前だったので、大豆が本式とは大人になるまで知りませんでした。

落花生を使うと、殻付のまま投げるので、あとで全部拾って食べられるという利点があります。


昨日一昨日と、寒すぎて、結局お絵かき出来ませんでした。
今日も寒かったけど、昨日よりはましかな?
外を散歩する方が、部屋で絵を描いているより暖かいというのは、体を動かさないと体温を維持できないと言うことですね。
絵を描くのに没頭したら、ほんとに凍死するかも…
寒すぎて没頭できそうもないですけどね。

#1050 寒いです

2010年02月03日 | 写真
窓ガラスに張った氷の写真です…

今日の札幌は最高気温が-9.5度だったそうで、どうりで寒いわけです。
(最低気温が-12.6度くらいだったかな?)

しかし、この寒さを乗り切れば、ストーブ無しの生活のまま冬を乗り切れるに違いありません。
さすがに、今日は使い捨てカイロのお世話になっていますが。

ここまで寒いと、「絵を描いていると寒さ忘れる」とは言えません。
…というか、絵を描いたら生命の危機すら感じます。

いや、それでも描くのでしょうけれど…

#1049 貝殻

2010年02月03日 | ペン
ペンらくがきです…

ペンというのは、ペン先にインクを付けて使う、いわゆる「付けペン」というものです。Gペンというペン先とブルーブラックインクを使っています。
わたしのらくがき道具の中では一番出番が少ない道具です。
(ほかに木炭やパステルというのもありましたが…らくがき道具としては現役を引退している感じです

ほとんど使わない道具なので、まったく使い慣れていません。
一本の線を引くたびにペン先が紙に引っかかったりしますが、その慣れない道具を使う不便さが面白く、ほんとうのらくがきの楽しさを思い出させてくれるのです。

そういえば、しゃっくりはいつの間にか止まっていました。ペンらくがきを始めたときはまだしゃっくりしていたのですが…

#1047 自分の経験に学ぶ

2010年02月02日 | そのほか
画材店で、わたしがほかのお客さんに質問攻めにされた中にはこういうものもありました。
「表面のいちばん丈夫な水彩紙はどれ?」
「さあ? わたしはそれほどたくさんの種類を使ったわけでないのでわかりませんが…、これの説明書きには『丈夫』と書いてありますよ」
「それもやってみたけど駄目だったわ。ここに並んでいる紙はみな試したんだけど、筆で擦っているとすぐボロボロになってしまうのよ」
「どのような筆を使っているのですか?」(どれほど硬い毛の筆を使っているのか?)
「ふつうの水彩用の筆よ」
「…擦らなければ良いのでは?」
「え?」
「水に濡れた紙に力を入れてごしごし擦ればどんな紙でもボロボロになるでしょう。濡れている部分は力を抜いて擦らないようにそっと描くか、どうしても強く擦りたかったら乾かしてからの方が良いでしょう」(わたしは強く擦ることはないのですけど)
「そうなの? 知らなかった!」
大型の画材店に行けば、こういう面白い方にたくさん出会えます。

その人は「知らなかった!」と言いましたが、何度も体験しているのに知らないはずはありません。せっかく何度も経験しているのに、その経験から何も学ぶことが出来なかったのです。
わたしが教えたことは「知識」として憶えたかも知れませんが、「知識」がない問題は解決できません。そういう問題にぶつかったとき、また、誰かに聞くのでしょうか?

水彩のよくある質問です。
「いつも色を混ぜれば混ぜるほどだんだん汚い色になって、きれいな色が作れません。どうしたらよいでしょうか?」
その経験からわかることは、そのまま「色は混ぜれば混ぜるほど汚い色になる」と言うことです。つまり絵の具の色はそういう性質の物だということです。
(1)汚い色が欲しければ、たくさん色を混ぜれば良い。
(2)きれいな色が欲しければ、なるべく色を混ぜない方が良い。
少なくとも、こういうことがわかります。

「失敗したので取り返そうとしてみましたが、いじればいじるほどぐちゃぐちゃになってしまいました。どうすればよいでしょうか?」
(賢明なみなさんなら、わたしがどう答えるか、もうお分かりのはずです。)
そもそも「いじればいじるほどぐちゃぐちゃになっていく」という性質の物なのです。
いじらないで放っておくのが一番無難です。別の場所を描き進めるうちに、ほかの部分に埋もれて目立たなくなります。
ごまかすより、その失敗を画面上で積極的に活かした絵にする方がより面白く効果的です。

ここに挙げた回答例は、わたしが考えたことです。わたしなりの答えであって、「正解」ではありません。
それに、賢明なみなさんなら、もっと別のことに気が付かれるかも知れません。

「あ~あ、失敗しちゃった」とガッカリして終われば、全ては無駄になってしまいます。でも、本当はそこに宝がたくさん埋まっているかも知れないのです。
わたしは「失敗」の中から多くのことを発見して、以降の絵の中で活かしています。
一度の経験では気が付かないかも知れません。けれども、何度も同じ事を経験(失敗)し、自分で考えるようになれば、いずれ自分なりの答えを見つけるはずです。そして、自分で答えを見つけたときは、感動して飛び上がってしまうほど嬉しいはずです。

あるいは、「絵の描き方本」を読めばすぐに答えが描いてあるのかも知れません。簡単に「正解」が手にはいるかもしれませんが、感動するでしょうか。でも、手軽に上手な作品を作りたいという人は、それが近道でしょう。

どちらでもお好きな道をどうぞ。人それぞれの好みの問題で、どうなさろうと自由です。どちらが良い悪いではありません。

わたしはもうあなたが出発するのを待っていられません。先に旅に出ます。
もしあなたが冒険の道を行くならば、旅先でわたしと出会うこともあるでしょう。

#1046 質問しない

2010年02月02日 | そのほか
絵の世界では正解がないのですから、質問してもほとんど求める解答は得られないものと思って下さい。
大抵は「どうぞご自由に」と言われるか、無視されるだけです。

画材店で観察していると、初心者の人ほど質問攻めをする傾向があるようです。しかもその質問の内容が漠然としています。

「水彩画を始めてみようと思うのだが、何を買ったらいいのかな?」
「それでしたら、この水彩セットはいかかでしょうか。入門には最適ですよ」
薦められていたのは舶来品の高級水彩セット。
「これはかなり高価だね」
「これなら品質も良く安心してお使いいただけます。入門書も含め必要な物はすべて入っていますので、買ったその日から、素晴らしい水彩画が描けますよ」
このお客さんがそれを買ったかどうかまでは見てませんが、高価なセットを買わされたけれど、結局飽きてやめてしまったという人もいます。これはかなり可愛い部類の質問です。お店の人にとっては大歓迎の鴨ネギさんですね。

「水彩の色がにじまない紙がほしいんだけど」
「この紙は比較的にじみ止めが強い紙です」
「どのくらいにじまないの?」
「え~と、どのくらいにじまないかと聞かれましても…」
言葉で説明するのは難しいでしょう。でも、実際に使ってみればすぐにわかることです。

「どれを買ったらいいかわかりません」
「これはいかがでしょうか? この商品は初心者の方に人気があるようです」
「これは?」
「これは使い慣れたプロの人向けに作られた物で、初心者の方が扱うには難しいかと…」
「こう見えても、わたしはプロのような者です!(怒)」
「えっ?」
普段から無理難題をぶつけられ続けている店員さんも、これにはびっくりです。わたしも話を聞いていてびっくりしました。
「プロのようなもの」って? 何者か知りませんが、質問の内容が初心者過ぎます。
最高傑作のやりとりでした。

絵の経験がある人は、あまり質問しません。知識が豊富でなんで知っているからではなく、質問する意味がないことを知っているからだと思います。聞かれた方が返答に困るだけで、得られる回答に期待できません。
何でも人に聞くよりは、自分でやってみた方が早いですし、よくわかります。

わたしは質問を受けやすいようで、手空きの店員さんがいないときは、わたしが質問攻めに捕まってしまいます。
「空の色はどの色が良いの? 水の色は? それと木の色と草の色と…」
「この色の見本を見て、お好きな色を選べば良いのですよ」
「でも、空色とか水色とか決まっているでしょ?」
「……」
仕方がないので、不本意ながらわたしが適当に「これが空色。これが水色。これが土の色…」と選んだら、そのまま買っていきました。
それで良いのなら良いのですけれど、この人はすぐに絵に飽きてしまう性格の人だと思います。

わたしはひねくれ者で、意地でも質問しません。どんなことでもまず自分でやってみます。それが絵の世界で冒険するには最適なのでしょう。

絵描きの旅は、どこかにあるゴール(正解)を目指すのではありません。旅することそのものが楽しみであり目的です。自分の足で歩けば、行く先々で思いがけない出来事にぶつかり、驚きと興奮の連続なのです。

#1045 工夫の第一歩

2010年02月02日 | そのほか
画材屋さんで、お客さんが「絵の描き方本」を片手に店員さんにまくし立てているのは、よく見かける光景です。
「この本に載っているのと同じのが欲しいんです」
「申し訳ございません。こちらの商品は、当店では取り扱っておりません。しかし、ほかの商品でしたらほぼ同等の物がこちらに…」
「どうしても、これと同じのが欲しいんです!」
「お取り寄せになりますのでお時間はかかりますが…」
「すぐに取り寄せて下さい! どうしても○○先生と同じ絵を描いてみたいんです! これがないと駄目なんです!」

同じ物を使って同じように描いたからといって、同じ絵が描けないのは、周知の通りです。

絵の道具はそれぞれ、絵を描くのに便利なように作られています。長い歴史の中で、使いやすいように改良されてきたのでしょう。どんな道具でも、あれば便利かもしれませんが、無いと絵が描けないと言うことはありません。

「このは紅葉流お絵かき」では、なるべくお金をかけないで自分で工夫することを楽しみにしています。
今から絵を始めてみようと言う方なら良い機会です。なるべく新たに道具を買わずに家にある物で済ませてしまいましょう。

わたしは数年前に絵を描き始めたときは、妹が中学生の時に使っていた絵の具と筆とパレットをもらいましたので、紙以外は何も買いませんでした。

パレットは、わたしは以前写真で紹介したように陶製の物を使っています。これはかなりお気に入りです。
妹からもらった金属製のパレットは使いにくいので、使わなくなりました。
上の写真のように食器のお皿を使うこともあります。どんな大きさでどんな形でどんな色の器を使うのが良いかは、実際に使ってみて自分で判断します。(毒性のある絵の具もあるので、食事用の食器と兼用しない方が安全です)
もちろん欲しければ専用の物を買うのも自由です。

驚くべき事に、筆洗いの水の入れ物ですら、水彩画専用の物が売られています。小学生がよく使うようなプラスチック製のものから、誰がこんな物を買うのかという高価な焼き物まで。
水の入れ物はわたしはジャムの空き瓶を使っています。ボウルでもタッパーでも、バケツでも空き缶でも何でも良いのです。もし使いにくく感じたら、別の器を試してみましょう。

水彩用の紙は、水彩で描くのに適した紙です。しかし、水彩紙がないから水彩で描けないと言うことはありません。
水彩紙は高価なので(わたしが使っているのは水彩紙の中でも安価な物ですが)、わたしはちょっとした水彩らくがきには薄っぺらのコピー用紙に描くこともあります。年賀はがきにも水彩で描きますし、かつては水彩紙という物を知らず、画用紙に書いていました。(画用紙と水彩紙は違います。水彩紙でもメーカーや製法などの違いでいろいろな種類と価格の物があります。どう違うかは自分で使ってみればわかります)
どんな紙でも描いて描けないことはありません。より安価な紙で使いやすい物が見つかればそれに越したことはありません。

どうも、絵を描くことを神聖化し特別視する人が多いようです。
道具もなにか特別な物を用意しなければならないような気になるかも知れませんが、それは業者の策略にはまっています。わざわざ高いお金を払う必要はありません。
わたしにとっては絵を描くことは日常生活の一部です。日常使っている物を絵に使ってみるのは普通のことです。
道具だけでなく、あなたがこれまで歩んできた人生経験を生かせば、いろいろなことを絵に取り入れることが出来るはずです。

これから出かける冒険の旅は自分で工夫するのを楽しみとする旅です。
旅の支度も、自分で工夫して楽しむのが第一歩だと思います。

#1044 旅の支度

2010年02月02日 | そのほか
あなたは透明水彩で絵描きの旅に出かけることにしました。
(旅と言っても、自分の心の中にある絵の世界を旅するのです)

「旅の支度に、なにを用意したら良いですか?」

「透明水彩で描く」ときに絶対に必要なのは「透明水彩絵の具」だけです。ほかに必要な物はありません。
たとえば、筆なども絶対に必要と言うことはありません。わたしは絵の具のチューブから直接絵の具を指につけて、紙になすりつけて描いたこともあります。これは極端な例ですが、根幹の話でもあります。
絵は描きたいから描くのであって、描かなければならないから描くのではありません。
道具も同じで、使いたいものを使うのであって、使わなければならないものというのはありません。

わたしが使っている物は、「#1020 みかんを描いてみよう(2)水彩編1」で書きました。
同じ物をそろえるのも、もっと簡素にするのも(わたしのでも簡素な方だと思いますが)、あるいは「豪華一式セット」を買うのもあなたの自由です。

わたしが絵の具を買うときは、好みの色のチューブをバラで買います。いつもだいたい決まった色を使っていますが、たまには気になる色の絵の具を買って使ってみることもあります。買う絵の具の色を選ぶのもまた楽しい時間です。青系の色だけでも、じつに様々な色があるのです。たくさんありすぎて見ているだけで楽しくなってきます。
絵を描くというのは、自分の好みを追究することなのですから、好きな色を使えばよいのです。もちろん何色かのセットで買うのも自由です。

絵の具や筆などの道具も種類が豊富でどれを買ったら良い迷うかも知れませんが、それも自由です。どれを選んでも良いのです。
ただ、第一に決めるのは自分ではなくて、財布の中身なのですが…
お金が足りなければ高価な物は買えません。また、決まった予算の中でたくさん描こうとすれば、当然のことながらより安価な物で済ませなければなりません。
お金持ちの人は選べる範囲が広くて困るかも知れませんが、わたしは低価格路線限定なので選べる範囲が狭く、あまり迷うこともなく困りません。買える価格帯の中から、見た目で「これを使ってみたい」というものを買います。

実際に自分で使ってみないとどんなものかわかりません。
「有名なプロの先生ご愛用の~」というのもあるようですが、その「有名なプロの先生」が愛用しているからといって、自分の好みに合うかどうかは別です。それを試してみるのも悪くありませんが、あくまで「参考」であって、それが好みかどうかを判断するのは自分です。

高価なものは品質が高いのでしょうけれど、無理して買うことはありません。
「高価な物を買ってはみたものの、もったいなくて使えない」というのではとても楽しめません。
お金に余裕があるなら、舶来品の高級絵の具がおすすめです。わたしも何色か試したことがありますが、国産品とは比較にならないほどきれいな色になります。値段が何倍も高いことはあります。
でも、「高価なだけにもったいなくて気楽に楽しめない」のでわたしには合わないと思いました。
それに必ずしも低価格だから使いにくいと言うこともありません。安価な物で自分にピッタリの物が見つかればそれに越したことはありません。
自分にとって良い物かどうかは、実際に使ってみて自分で判断するのです。

絵の具や道具を選ぶのは迷いますが、迷うのもまたお買い物の楽しみです。

「変な物を買って失敗してしまったらどうしよう」という方もいますが、買って自分で使ってみなければわからないので、そこで悩んでも仕方がありません。
たとえ失敗したとしても、失敗に学べば無駄にはなりません。もしかすると、使いにくいと思う色の絵の具も、使っているうちに効果的な使いどころを見つけたり、好きになったりするかも知れません。
絵の具も筆も紙も、みな消耗品です。もしそれが気に入ったら次も同じ物を買えば良いですし、気に入らない、あるいは、もっと別な物を、というなら次回別の物を求めたらよいでしょう。

最初に完璧な道具を全部しっかりそろえてからじゃないと駄目と言う人もいますが、わたしはそんなことはありません。
まずは身軽に「絵描きの旅」に出てみて、旅先で自分にあった色や道具を少しずつ見つけていくのが、わたしの旅の楽しみの一つなのです。