(
1)(
2)のつづきです…
キョウ「合同写生デートの定番というわけで、動物園だ」
シズノ「ご、合同写生デートって何よ? せっかくのデートなんだから、もっとムードのあるところが良かったなぁ」
キョウ「絵を描くのが目的だろ? だったら、ついでに動物の絵も描ける動物園が最適じゃないか」
キョウ「ほら、あいつらも喜んでるし」
シズノ「そうね…うん、わたしはキョウと一緒ならどこでも良いわ…(あの子たちが動物に夢中になっていたら、わたしたちは気兼ねなく二人きりのデートが出来るかな?)」
シズノ「(でも、そうなると、デートをするための口実自体が崩れてしまうのよね…)」
まりも「先輩! すごいおっきくて、すごいめんこいのがいたのじゃ! こっちに来て一緒に見るのじゃ!」
シズノ「ん~、まりもちゃん、何か大事なことを忘れてないかなぁ? 今日はわたしたちの絵を描くために来たんじゃない?」
まりも「おお、そうであった! 絵を描くのじゃった! ぢゃが、めんこい生き物もたくさん見たいのじゃ…」
シズノ「動物園は別の時にまた連れてきてあげるから、今日は我慢してお絵かき、ね?」
まりも「わかったのじゃ、今日は先輩とキョウちゃんの絵を描くのじゃ。またここに来るのは約束なのじゃ!」
シズノ「良い子ね。わたしとキョウちゃんは自由に歩き回るから、まりもちゃんたちは少し離れたところで静かに絵を描いていてね」
キョウ「先輩、これ知ってる?」
シズノ「キリンくらい知ってるわよ…って、えっ!? ちょ…なによこれ~! え~、こんなんなの舌?」
キョウ「へ~、先輩でも驚くことがあったんだ~」
シズノ「し、失礼ね。知ってたけど驚いたふりをしただけよ」
キョウ「舌だけに?」
シズノ「もう! キョウったら!」
キョウ「ガオー!」
シズノ「ちょっと、キョウ! 何よ、いきなり!」
キョウ「ほら、先輩も一緒に! ガオー!」
シズノ「恥ずかしいからやめなさいよ!」
キョウ「いいじゃん、せっかくのデートなんだから何でも楽しまなくちゃ! ほら、ガオー!」
シズノ「が、がお~」
キョウ「先輩のガオーかわいいなぁ」
シズノ「いやだわ、キョウのいじわる~!」
まりも「かっぱさんの真似をしているのじゃろうか…」
かっぱ「…がお?」
シズノ「おまたせ。のど乾いたでしょ? 飲み物を買ってきたわ」
キョウ「サンキュー…って、え? ドリンク一つにストロー2本!?」
シズノ「そうよ、『せっかくのデートなんだから何でも楽しまなくちゃ』って言ってたの誰だったかしらね~?」
キョウ「でも、それはまずいだろう…恋人同士でもあるまいし…」
シズノ「へ~、キョウでも照れることあるんだ~? 顔真っ赤だぞ~、キョウちゃんかわいい!」
キョウ「うわ~!!」
シズノ「うふふ、さっきの仕返しで、おあいこよ。キョウが先に仕掛けてきたんだからね」
キョウ「先輩がそのつもりなら、こうしてやる!」
シズノ「あ~、ストロー1本捨てちゃって…。ごめんね、キョウ…。そんなにわたしが嫌だったら、無理しなくて良いのよ…」
キョウ「違う、ストローは二人で1本あれば良いんだ!」
シズノ「キョウ!?」
キョウ「ほら、飲みなよ、シズノ…」
シズノ「うん…」
カミナギ「ぎ、ぎ、ぎ、ぎ~~! 先輩としての立場を悪用してキョウちゃんに間接キスを強要するなんて、絶対に許せないわ!! ぶ~~!!」
まりも「かっぱさん、のどは乾いてないかの?」
かっぱ「乾いたがお」
まりも「なれば、わらわたちも飲み物を買って休憩にするかのう? 先輩からもらったお小遣いがあるのじゃ」
かっぱ「飲んで休憩するがお」
(
4)につづく…
自分で描きながら赤面してる(きゃ~!) ……