カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

悪いものには蓋をするな

2007-10-04 | 雑記
 中学生集団が体験学習で職場に来ている。朝から挨拶して反応を見ると、今年の生徒さんたちはかなり活発な様子。リーダーの女の子は少し張り切り方が滑っているが、まあ、それはいいだろう。

 移動してブロックの事業に参加。というか完全に見学。あんまり移動するのも目障りになるかもしれないと思い、S中君の授業を集中して見学。緊張した面持ちではあったけれど、徐々に本領を発揮して、楽しい授業を展開していたと思う。少なくとも見てる分にはなかなか面白かった。
 実際にはけっこう進行に苦労しているところもあったようだけれど、最後の電卓の話など、すばらしかったのではないか。嫌な仕事ではあったけれど、何とかやめようという思いを踏みとどまらせて現在まで働いてきた。そのきっかけとなった店長からもらった電卓を今も大切に持っている。確かにどこにでもあるありふれた電卓かもしれないが、S中君にとって大切なものであるという話なのであった。なんとも尊い大人の姿である。ホント、感動しました。

 僕としては道徳教育というものは、答えのあるものではないのだから、もっと悩むように考えさせられたほうがいいと思うが、望ましい答えというものが安易にですぎて、テキストとして問題があるような気がしないではなかった。命の大切さとか、日本のこころなんていうことは、逆に命が簡単に殺された戦時中のほうが良く理解できるだろう。だから難しいわけだが、例えば漫画の「ワールド・イズ・マイン」や「寄生獣」のようなものを読んで感想を聞くような試みの方が、誠実に考えることになるのではないか。もちろん過激なので、受け入れられないには違いないが、残酷を知らない人間に切実さは伝わりはしないだろう。正義だとか良心というものは、徹底した悪を見据えた上で考えたほうがいい。
 日垣隆が書いていたが、死刑執行直前の囚人に、命について人前で話させるというようなことがもっとあってもいいのではないかと思う。たとえむちゃくちゃなことをしゃべろうとも、聞く方にものすごくためになることは間違いなかろう。それが出来ない教育というものに問題があるのであって、子供自体に本来の問題の根源があるのではないと思う。

 遅めのランチを食って帰ったが、日中はうだるような暑さ。ネクタイなんてアホらしくて着けていられない。
 郵便物を見るとA水君ご推薦の藻谷さんの本が届いていた。パラパラめくると常識的なことが書いてあって目から鱗が落ちる。事実の力がいかに凄いかという当たり前のことなのである。裏を返すと、それだけメディアとか世間とかが非常識を常識化してきたということなのである。世の中に蔓延する当たり前と思われる常識の多くは、ショッキングさを売り物にしてきた者たちが作り上げてきた偶像である。
 例えばその根本背景にのっとってJCなどは事業目的をたてるので、僕の考えと合わなくなってしまうのである。JCに限らず僕らの業界人もしかり。以前は頭が悪いせいだろうと思っていたが、世間の人が素直な所為なのだということが段々分かってきた。物事は素直すぎたまま受け入れるのではなく、疑いながら考えるということがなにより大切だ。性格は悪くなるのかもしれないが、自分で答えを出すことが、結局は真実を掴む早道であると思っている。道徳教育というものも、そこに尽きるのではないだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする