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小泉さんの引退というと最後のサプライズととらえる人が多いようだ。確かにそういう根強い待望論とともに人気が持続していたことは明らかだろう。そういう人たちにとっては、このようなサプライズとなることが如何にも残念に違いない。政界再編論こそ日本のとっておきの未来だったようにも思うが、これでそういう夢もやはり夢だったのかということなのかもしれなかった。小沢さんにしろ麻生さんにしろあきれるぐらいのばらまき政策が露呈しているだけに、僕は自分の子供にも申し訳ないような気持ちでいっぱいだ。この子らが本当に不憫である。その上に26ぶりだかの貿易赤字のニュースも飛び込んできた。これでも実行するというのは、さらに10年あまりを失うということなのかもしれないのだった。しかし利権というのは本当に恐ろしい力があるものである。自民党が悪いというより、これだけねじ曲がったままでも押し進んでいこうという思惑の方が勝るというのが、何より恐ろしい。それでも政権交代。そしてその後しか、打つ手はなくなった。その打つ手の一つが、どういうわけかフッと消えたように思えるのが、やはり残念ではある。僕自身は再登板などは期待していないけれど、牽引力は少しは期待していたのだろう。しかし理性的に考えると後期高齢者医療制度を象徴するような必要な改革は、結局は多くの人には理解ができないものらしいことを思うと、辞めてしまうより他にないのかもしれない。やれるもんならやってみろよ、というメッセージではあるのだろう。政治の力がたいして経済への影響力がないことが、何とか日本を救っているとしか思えなくて、いや、それならそれで、自助として生きていく方法はあると考えていかなければ未来は消えてしまった。