レヴィ=ストロースって死んだらしいですね。100歳だったとか。合掌。
子供の頃久米明のアナウンスで「素晴らしい世界旅行」というのがあって、これを楽しみに見ていた。まあ、何の関係もないといえばそれまでだが、学生時代に初めてレヴィ=ストロースを読んで、なんとなく思いだしたものだ。その当時は、まだ平然と「土人」というような表現が自然にあったような気がするが、それは別段差別というか、普通の興味だったように思う。少なくとも子供の僕はそのような感じだったのだが、考えてみると、日本という国のなんとなくの優位性もひょっとしたらあったのかもしれないとは思うのである。
日本の撮影スタッフが、現地の怪しい食べ物を顔をしかめながらにも口にすると、現地の人は満便の笑顔で喜んだりするのだった。文化の理解は現地の食べ物を食べることなのかもしれない、などと、子供ながらに考えたものだ。
今だに先進国だとか発展途上国だとかという表現は、自然に使われるものではあるし、別段目くじらをたてることではないとは思うのだけれど、まあ、おかしな表現であることには変わりがない。だから別の言い換えをした方がいいということをいいたいわけではなく、そのような「先進国」に住んでいるらしい僕らのことが滑稽なだけである。
そんな事を考えるというか、発見するだけも、彼は読まれるべき人なのではないかとは思う。妙に小難しい人から好かれるだけでは、なんとなく不自然な学者なのではないか、と思うのだった。