カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

現代的だが気持ちが悪い   ゴジラ対VSビオランテ

2012-05-28 | 映画

ゴジラ対VSビオランテ/大森一樹監督

 性懲りもなく何故借りることになったか記憶が無い。聞くところによるとゴジラ映画の中ではまともではあるが、興行成績があまり良くなかったらしい。そういう背景は実際に僕好みである条件はある程度満たしている感じもして期待大だった訳だが、特にマニアでもない人間にとっては、やはりそこまで見ごたえのあるものでは無かったような気もした。いや、確かにあんがいよく出来ている感じもするし、面白くないとは言えない。しかしながらゴジラがジャンジャン街を壊す訳ではないし、いわゆる派手さというのに欠けるのかもしれない。
 原子力に対する人民の不信感もあることだし、遺伝子を操作することへの不信とテロとの絡みなどもあったりして、テーマや内容は極めて現代的である。というか後のハリウッドではこのような展開は様々な形で映画化されてきたようにも思えて、ゴジラが出ていないだけのテーマの先見性というものも見て取れる。まさかこの映画を参考にしたとは考えにくいが、そのような話の取りまとめはなかなか上手くいっていたのではなかろうか。
 特撮には時代を感じさせられるものがあるにせよ、かえって新鮮なところもあってなかなか良く出来ているとも感じる。いや、むしろ良く作ったり細工したりしてるなあというような努力が見てとれて、CGだと凄過ぎてかえって感心しないところまで感心して見てしまったりする。派手さが控えめであっけないところも無いではないが、その分安心して細部を楽しむ余裕があるというか。
 考えてみると僕は子供時代にもあんまりゴジラを見ていた訳ではない。たぶんそれは世代的にはざまに居たせいだと思う。最初の頃は生まれていなかったし、新しいシリーズのときは既に興味を失っていたのかもしれない。子供の頃には大魔神やガメラというのは覚えているが、ゴジラの方は再放送(たぶん)だったのではなかろうか。それにゴジラというのは正直言って少しオドロオドロシイところがあって、子供心に怖がっていたのかもしれない。実際にこの映画を観ても思うことだが、ゴジラはともかく、対戦相手のビオランテというのはかなり気持ちが悪い。植物だから相手から近づいては来ないのだろうが、特に見学に行きたくなるような相手では無い。ゴジラさんが相手をしてくれなければ、いったい誰がそばによるものだろうか。
 という訳で最後まで何故この映画を観ているのか思いだせなかったが、割合まともな映画を楽しんだという感じだ。それにしても人気が無かったということだから、何か人気のあるゴジラ像とは違うところがあったのかもしれないが、その検証はたぶん他の人がすることだろう。
 子供の頃に僕を引き付けなかったゴジラは、あんがいいい奴のような印象があって、今回もそのような感覚は付きまとった。そこらあたりが制作側のゴジラ愛というものが観る者に伝わってくるということなのかもしれないとは、感じたことだった。
コメント
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