カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

子供の頃に妙に感動した覚えが    ザ・ドライバー

2012-07-09 | 映画

ザ・ドライバー/ウォルター・ヒル監督

 子供の時に観てえらく感動した覚えのある映画(もちろんテレビの洋画劇場)。なんで今回見返す気になったのかは、やはりどうしても思い出せない。どれくらい子供だったのかというと、この映画を見てからピックアップのトラックのミニカーを買った(たぶんフォードのブロンコ)くらいだから小学生だったのではないか。見返してみると随分大人の雰囲気の映画であることが分かるのだが、カーアクションだけじゃなくてライアン・オニールのカッコ良さにしびれたのだと思う。いつも何となく悲しそうにしているのに、クールでいいのである。イザベル・アジャーニもこの映画で顔を覚えた。もっともこの映画以外では明るい美人で、後でびっくりしてしまった。
 強盗犯を逃がす車の運転手が主人公なのだが、最後まで結局この主人公の名前すら分からない。他の登場人物も、いわゆるキャラの立った人たちが揃っているのだけれど、結局名前はどうでもいいらしい。アクション映画ではあるけれど、いろいろと心理ゲームを楽しむ展開にもなっていて、結末もなかなかのひねりである。さすがに名作は違うのである。
 この映画にはいろいろ印象に残る場面が多いのだけれど、銀行強盗の片割れが、復讐のために依頼伝達役の女を脅す場面がある。銃を口に突っ込んで怖がらせた後に、ドライバーの居所をまんまと聞き出すことに成功する。女は「まだ死にたくない」というのだが、枕を顔にかぶせて撃ち殺してしまう。そしてチンピラは「そうだろうな」とつぶやくのである。僕はこの場面を見てから、例え秘密をばらすにしても殺されてしまうのだから、本当のことを言う必要はないのだと学習した。もちろん、今に至るまで、その教訓を活かす機会には巡り合っていない訳だが…。
 もちろん細部は忘れていたけれど、大筋ではけっこう覚えているものだった。子供の頃の集中力は大したものだな、と自分に感心した。もっとも最近は何度見ても新鮮な気分を味わえる程度にすぐに忘れてしまえるので、何度も映画を楽しめて得だということもいえそうだ。得をしているくせにちっとも嬉しくないが残念ではあるのだけれど…。
コメント
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