カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

一年の計は元旦にあらず

2014-01-01 | 掲示板

 一年の計は元旦にあり、という。これは昔の人の言葉でありながら、きわめて現代的な響きがある。目標をもって努力する、そういう人間中心的な思想が透けて見える。そういう人間は強いのだけれど、同時に何か本来的な弱さを内包しているように感じる。
 正月が一年の始まりだとするのは、単に恣意的な取り決めに過ぎないと思う。日本人なんだから昔からそうだよ、という人もあったが、それは旧暦の事だったろう。今でいえば2月の頭頃。何を屁理屈を、と思う人は、決まり事なんて都合で変わってきたことを知らないだけだろう。決められたことだから変えられるし、勝手に変わったりもする。そういうぐらぐらした基盤の上にしか、人間は生きられない。
 さて、正月のそういう気分は分からないではない。さあ、スタートを切った、これから頑張るぞ、という気分はいいものかもしれない。しかし同時に、きわめて特殊な、あえて言うと非常に高い興奮状態にあるような気がする。いつもとは違う日のいつもとは違う自分の精神状態にあって、本当にまともな判断をすることが可能なのか。僕にはそのことの方が疑問だ。正月も過ぎてしばらくすると、よく三日坊主だとかいつの間にか目標を忘れたという話になる。ダメな自分を揶揄するようになるのだろうが、しかしそれこそが日常的な本来的な自分に戻ったというだけのことで、本当に目覚めただけの事なのではあるまいか。
 一年の計は元旦から少し過ぎて、もうちょっと落ち着いてからの方がいいと思う。そうして普通の感覚で正確に自分を鑑みて、やるべきことを見据えた方がいい。そういう威勢がそがれた内から湧き上がるようなものこそ、やっと信用できる気持ちというものではないだろうか。

 というわけで、今年もよろしくお願いいたします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする