フレフレ少女/渡辺謙作監督
新垣結衣主演。もう10年ほど前の映画。文学少女だった帰宅部の女の子が、野球部の練習こぼれ球が頭に当たり、それで突然に恋に落ちる。ところがこの野球少年はもともとたいへんなスターで、1年ながらスカウトから注目されるモテモテの投手だった。遠くから応援したところでライバルは多く、下駄箱にラブレターを忍ばせようとしても山のように他の子の手紙が詰まっている。マネージャーは飽和状態で募集無し、野球部の隣で練習しているソフトボール部に入部しようにもキャッチボール一つできない。チアリーディングは自らの大会で上位入賞のために励んでおり、他のクラブの応援が目的では無い。そういう中、天の声が聞こえる。それはたった一人であきらめず応援団を維持しようと奮闘している人間の声だった。
そういう事で応援団に入ることにするが、何しろ団員が居ないので勧誘から始める。文学的センスで培った口説き文句で、何とかさらに3人確保して、最低限の応援編成を組んで試合に臨むが、ロクな応援が出来ずに野球部からは顰蹙をくらい、その所為なのか、応援していた憧れの大島投手はライバル校へ転校してしまう(そんなことがあっていいのか!)。もうすでに何の目的も失ってしまったのだが、謎のおじさんがやってきて応援団の合宿を企画して皆を謎の寺へと連れ出すのだった。
まあ、何というか、スポ根ものギャグ漫画であればそれでいいのかもしれない。応援団っていったいなんだという哲学的な話もあるが、基本的には青春である。他人が頑張ることを応援するためには自分が頑張らなければならない。そういう変な思い込みが、あのような変な応援スタイルになってしまったのだろう。
ストーリーはギャグとしては面白くはあるが、いったい本当にこれで良いのかは大いに疑問の残るところだ。実際に甲子園なんてどうでもいいので、それはそれでいいという事なんだろう。さすがにガッキーが応援団というのはまったく様になっていなくて、可愛いという点ではいいけれど、ちょっとつらいかもしれない。むしろガッキーとバランスの取れる役者が少ない感じで、ホレられるにしろホレるにしろ、もうちょっとどうにかならなかったのだろうか。
それにしても応援団の会議などを見ていると、一体どこの国の風景だろうか?とは思う。あんな連中に応援される部活というのは、応援拒否を行っても仕方ないのではないか。とはいえ、本当に応援団なんてものがちゃんと存在する学校なんてものは、案外少ないだろうとは思うのだけど。