イギリスのアカデミー賞の助演女優賞を受賞したというユン・ヨジョンと言う韓国人の女優のインタビューで 「お高くとまった人々として知られている英国人に認められとてもうれしい」というような内容の発言をしたという新聞記事を読んだ。家で購読してるのは毎日新聞で、その文には続けて「私は何か間違えたと思う」として、ユンさんはのちにこの発言について謝罪、したらしいことが書いてあった。なかなか面白いユーモアのある事を言って、しかしそのことが英国内で批判されたのかもしれないと読んで思った。
後日ネットで、同じことを報じる記事を読んだ。ところがそこでは、ユンさんのインタビューのこのユーモアは、絶賛されていた。少なくとも謝罪したなどということは一切書かれておらず、このユーモアのあるスピーチは、他の作品で賞を受賞した監督などからも支持をされたようなことが書いてあった。
二つの記事を読む限りは、真相は全くわからないし、一体どうしてそういうことが起こったのか、ちょっと考えにくい。少なくともこの発言には、注目が集まったらしいことが見て取れる。そしてその後も何かあの発言がどうだったかというようなことも、話題にはなったかもしれないとは思われる。
はっきりしているのは、いや、ちゃんとはっきりはしていないが、毎日新聞の方には、韓国女優に対する悪意があるのに対して、他のニュースではそれがないということだ。それは韓国だからそうなのか、そこまで言えるかはわからない。少なくともアジアでない人がこのような発言をしたとしたら、何の批判の対象にもならないだろう。そんな気もする。そもそも英語でこれだけのスピーチができるというのは、日本人には少ない。台本にあるのなら別だが……。 何しろユンさんは英国で学んだ経験もあるらしく、それだけこの韓国人の女優さんには、英国文化を理解したうえで発言されていたらしいことも分かる。
しかしながらお国批判というのは、それなりにむつかしいというのは分かる。自国民が自分の国を皮肉っていうのは比較的いいのだが、それ以外はあんがい厳しかったりする。アメリカや中国が相手国を何か言うのとは、ちょっとニュアンスが違ったりする。でもまあ韓国と英国である。そこのところは、どうなんだろう。