今回は、アマドコロ(甘野老)だ。山野に自生する落葉性の多年草。名前の由来は、太い根茎の形がヤマノイモ科のオニドコロ(鬼野老)に似ていて、甘みがあることによる。
<2021年4月17日 -北九州市若松区 高塔山にて->
◇ 小次郎クン、ここは「アマドコロ」があるんだって、探しにいこうかね! ん? 分かった。ボク、甘いものは好きなんだよ!
◇ 小次郎クン、勘違いしてないか? 『あんみつや団子などの和菓子を出すお店の “あまみどころ(甘味処)”』じゃなくて、植物の“アマドコロ(甘野老)”。白い花だよ!
※ 甘味処:読みは「あまみどころ」または「かんみどころ」。
◇ キミの左側のが「アマドコロ」だよ! ふーん、そうなんだ。食べられるのかな? うん、春の新芽は山菜として食用になるんだって! ぼく、時々は草も食べるよ。
近よって観察してみよう
◇ 一瞬、スズラン(鈴蘭)? とも思ったが、確か、スズランの花は壺状だったよね。後で調べてみよう。因みに、スズランは有毒なので注意しよう。
もうちょっと、よく見てみる。
◇ ふーん、こんな花なんだ! ちょっと、勉強をしておこう。
【アマドコロ(甘野老)】
◇ キジカクシ(ユリ)科アマドコロ属の落葉性の多年草。別名はイズイ(萎蕤)
春の新芽は山菜となり、秋には根を掘り上げ乾燥して煎じ薬として利用される。ただし、果実は有毒。冬の間は地上部が枯れ地中の根の状態で冬を越す。
※ 同じ仲間に姿がそっくりなナルコユリ(鳴子百合)、別名のイズイの名をとった近縁種の ヒメイズイ(姫萎蕤)などがある。
◇ 原産地:日本、朝鮮半島、中国。
◇ 開花時期:4月~6月。春になると茎を出して葉の付け根から1、2個の筒状の白花を下向きに咲かせる。
◇ 花は、先端が緑色がかっていて少しだけ開く。
【名前の由来】
◇ アマドコロ(甘野老)は地中の根茎の姿形がヤマノイモ科のオニドコロ(鬼野老)に似ており甘みがあることから名付けられた。
※ オニドコロ(鬼野老)はアクが強くそのままでは苦い。
◇ イズイ(萎蕤)は、漢名を音読みしたもの。
たしか、美咲が丘にもあった。
<2021年4月10日 ー美咲が丘3丁目->
◇ ここは、ボクんちのすぐ近くだよ。いろんな草花を植えていて、散歩時に楽しませて貰っているよ。
◇ 確かに、葉の付け根から2個の筒状の白花を付けている。
◇ また、先端が緑色がかって少しだけ開いているので、確かにアマドコロのようだ。
【アマドコロ(甘野老)とナルコユリ(鳴子百合)】
とてもよく似ているらしい。違いを調べてみた。※ 出典:「鑑定の根拠[前編] アマドコロ、ナルコユリ」他
◇ 茎の違い(これが一番確実)
茎をつまんでクルクル回す。茎のゆるい角(かく)張っているのが引っかかるのがアマドコロ。まったくのつるんつるんなのがナルコユリ
◇ 葉の違い
アマドコロは幅広の葉で、やや楕円形。ナルコユリは笹の葉に近いくらい細い。
◇ 花の数
アマドコロが花梗に1~2花を付けるに対し、ナルコユリはその名のとおりで鳴子のように3~5花を付ける。
※ なる-こ(鳴子):田畑を荒らす鳥をおどし追うのに用いる具。小さい板に細い竹管を糸で掛け連ねたものを縄に張り、引けば管が板に触れて音を発する。(広辞苑 第六版)
◇ 鳴子。ネット(taneya.jp)より
【スズラン(鈴蘭)】
◇ うむ、壺形の花だよね。※ ネットより
お終い